中村倫也出演のおすすめ映画（2018～2019）
4.『孤狼の血』（18） 監督：白石 和彌 127分
連続テレビ小説『半分、青い。』で大きく飛躍した中村が、同時期に出演したターニングポイント的一作。『日本で一番悪い奴ら』に続く白石監督作品となり、ヤクザ間の抗争の発端ともいえる事件を起こし、さらには重要任務の“切り込み隊長”を任される重要なポジションをつかんだ。
昭和63年の広島。暴力団同士の抗争の火種がくすぶる町で、何でもありの名物刑事・大上（役所広司）と新人刑事・日岡（松坂桃李）がバディを組み、均衡を保とうとするのだが……。
役が乗り移ったようなふてぶてしくも憎めない役所の妙演に、作品全体を通じて常に変化していく松坂のエネルギッシュな熱演（中村とは所属事務所が同じで共演作も複数）が加わり、極道に扮した江口洋介や竹野内豊が魅せる色気と混ざり合う。その中で、血がたぎるような“暴走演技”を全員全霊で披露するのが、中村だ。濃い面々に一切負けることなく、強烈な印象を刻み付けることだろう。
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5.『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』（18） 監督：波多野貴文 105分
『孤狼の血』とは打って変わり、普通の（だが仕事ができる）サラリーマンに扮したのが本作。地方の遊園地に赴任となったヒロイン（波瑠）の恋人をスマートに演じている。
恋人と同じ職場を目指し、見事夢をかなえたヒロイン。だが地方の遊園地に配属され、人生は一気に下り坂に……。しかし、そこで出会った伝説の社員（西島秀俊）に影響され、少しずつ彼女の「仕事への向き合い方」に変化が訪れる。
本作では、ヒロインに恋人が会いにくるシーンで、中村が水に濡れるというサービスカットが用意されている。彼の爽やかな魅力が凝縮された作品だ。
6.『美人が婚活してみたら』（19） 監督：大九 明子 93分
『勝手にふるえてろ』（17）でブレイクした大九明子監督が、黒川芽以、田中圭、中村を迎えて送るラブコメディ。婚活に目覚めた女性が、様々な男性と出会い「幸せとは？」を見つめなおしていく。
大九監督らしい女性の本音やカッコ悪さが前面に押し出されたユーモラスな作りになっており、中村と田中は「結婚相手の候補」として真逆なキャラクターを演じている。田中が遊び人の歯科医をクールに表現したのに対し、中村は好人物だがちょっと抜けている奥手な男子をギャップ演技で魅せる。
2人でホテルにやってきたにも関わらず、ヒロインがシャワーを浴びている間に慌てふためくというコミカルなシーンは爆笑ものだ。中村のコメディセンスがいかんなく発揮されている。
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7.『台風家族』（19） 監督：市井 昌秀 108分
草彅剛、新井浩文、MEGUMIと4人兄妹を演じたコメディ家族劇。銀行強盗をしでかし、行方不明となったまま死亡認定された父親の遺産争いが勃発。子どもたちのゲスな思惑やむき出しの本音が、激しくぶつかり合う。
中村は末っ子の三男を、神経質な演技で具現化。コンプレックスを抱え、世間の注目を集めようとする刹那的なキャラクターをユニークに演じ切った。奇抜な衣装や舌足らずなしゃべり方、ふらふらと包丁を振り回すアクションなど、独自性が強い。
序盤から仕掛けられた伏線が回収され、ブラックコメディが徐々にヒューマンドラマへと昇華されていくストーリー展開が秀逸。星野源の体当たりの演技が話題を集めた『箱入り息子の恋』の市井昌秀監督が、オリジナル脚本を手掛けた。
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8.『アラジン』（19） 監督：ガイ・リッチー 128分
2019年の中村は、『湯を沸かすほどの熱い愛』（16）の中野量太監督による『長いお別れ』や、神木隆之介、浜辺美波と共演した『屍人荘の殺人』、テレビドラマ『初めて恋をした日に読む話』や『凪のお暇』など話題作の出演が相次いだ。
中村のフィーバーを感じさせる流れだが、中でもひときわ話題となったのは、ディズニーによる実写版『アラジン』の吹き替え声優に抜擢されたことだろう。日本でも120億円を超える大ヒットを記録した本作で、中村は堂々たる演技と伸びやかな歌声で、主人公のアラジンを熱演。新たな“引き出し”を見せつけた。
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