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正義のために立ち上がることは、人間として根源的な義務『コリーニ事件』マルコ・クロイツパイントナー監督【Director’s Interview Vol.59】

正義のために立ち上がることは、人間として根源的な義務『コリーニ事件』マルコ・クロイツパイントナー監督【Director’s Interview Vol.59】


ドイツで屈指の刑事事件弁護士としても活躍、自身で取り扱った事件をベースにした社会派ミステリーを多く執筆してきたフェルディナント・フォン・シーラッハ。彼が手がけた小説『コリーニ事件』では、作品で語られた驚愕すべき“法律の落とし穴”がきっかけとなり、出版から数ヶ月後の2012年1月には、ドイツ連邦法務省が省内に調査委員会を設置したという。この“国家を揺るがした”小説が、ついに映画化。


ドイツの負の歴史を体現したと言っても過言ではない本作。監督のマルコ・クロイツパイントナーは、重厚で落ち着いた演出を用いて見事映像化に成功している。今回、監督自身に話を伺った。


Index


正義のために立ち上がること



Q:原作のどういうところに惹かれましたか?


マルコ:正義というテーマにとりわけ惹かれました。もっと具体的に言えば、我々がふだん正義と呼んでいるものが本当にそうなのか、ということについてです。『コリーニ事件』は、今では本当に稀になってしまった、本来の意味での“良心”についての話だと思っています。本作では、正義のために立ち上がることが、人間としてもっとも根源的な義務であることを示しています。そして、いつだってその闘いには意味があることも。


Q:このプロジェクトは、どうやってあなたのところに来たのでしょう? 


マルコ:3年ほど前にプロデューサーから話を聞いて、とても魅力的なプロジェクトだと思いました。その後、2018年のはじめに脚本を読んだんです。もともと、フェルディナント・フォン・シーラッハの小説にはとても感銘を受けていたのですが、決定打となったのは、脚本と、エリアス・ムバレクを主人公にするというアイディアでした。ものすごく変わっていて面白いアプローチだと思いましたね。




Q:具体的にはどんなところに興味を持たれましたか? 


マルコ:私が感じた魅力が観客にも伝わるといいのですが、主人公は移民の背景を持つ新米弁護士で、いわゆるアウトサイダーであるという点も魅力的なのだと思います。時代は2001年、彼のような境遇の人は、素晴らしいキャリアが約束されることはありませんでした。そんな彼が偶然か必然か、殺人者の国選弁護人を引き受けることになったのです。そして世紀の裁判が始まろうとしていました。彼は裁判を闘い、倫理について考え、大きく成長していくんです。


加えて、人気俳優であるエリアスのこの役への抜擢は、このテーマに若い層を取り込む機会を与えてくれました。『エリアスがこの役をやるんだったら観てみたい。退屈な歴史の授業じゃなくて、ちゃんとした映画体験ができそうだ』と、多くの若い人が興味を持ってくれると思いました。



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