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フィクションを通して、現実に起こっている問題を伝える『ワンダーウォール 劇場版』前田悠希監督【Director’s Interview Vol.61】

フィクションを通して、現実に起こっている問題を伝える『ワンダーウォール 劇場版』前田悠希監督【Director’s Interview Vol.61】

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キャストが醸しだす空気感



Q:脚本から生まれたキャラクターたちも素晴らしかったです。キャストはどのように決められたのでしょうか。


前田:最初は、ネームバリューのある方や売れっ子の方をキャスティングする話も出たのですが、12月に渡辺さんにオファーをかけてから撮影まで半年もなかったので、スケジュールを抑えることが難しい状況でした。そこで助監督の方がオーディションを提案してくださったんです。企画的にもそっちの方が面白い子が集まりそうだと。それで慌てて準備をしてオーディションをしました。書類の段階で1,500人ぐらい応募があって、そこから350人ぐらいに絞って、実際に会って決めていった感じです。


Q:今のキャスティング以外は考えられないぐらいの、素晴らしい面々でしたが、皆さんすぐ決まったのでしょうか。


前田:そうですね。例えば、須藤君とか三村君なんかは、オーディションに来て演技をした時点で、その場がこれは!みたいな感じの空気感にはなっていましたね。一通りみなさんと会った後に、その場でスタッフだけで選考したのですが、本当にものの5分ぐらいで決まりました。キューピーは須藤君で、三船は中崎君ねって、その場で配役まで決まっていきましたね。岡山天音さんと三村和敬さんだけは、役は決められなかったですが、いずれにしてもこの二人にもぜひ出てもらおうって、すぐに決まりました。




Q:そうなんですね。とても個性際立つキャラクターたちですが、構成のバランスも良くて、キャラクターをうまく捌かれている印象がありました。演出上気を付けたところなどはありますか。


前田:気を付けたのは、寮生の子たちが実際にいるように感じてもらえる、実在感でしょうか。彼らは実際に存在して、本当に存廃問題に悩んで話し合っているという、そういったリアリティーが欲しいと思っていました。


役者の皆さんもそれを理解してくださり、事前に各自演技プランを練って、かなり集中して現場に臨んでくださったので、劇中にあったような空気感が自然と醸成されていきましたね。


演出的な面でいうと、なるべくお芝居が途切れないようにカットは割らず、1つのシーンを最初から最後まで流れで撮るようにしました。お芝居に集中していただけるよう、そこは気をつけました。



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