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フィクションを通して、現実に起こっている問題を伝える『ワンダーウォール 劇場版』前田悠希監督【Director’s Interview Vol.61】

フィクションを通して、現実に起こっている問題を伝える『ワンダーウォール 劇場版』前田悠希監督【Director’s Interview Vol.61】

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予想外だった反響の大きさ



Q:当初企画されていた、学生の日常スケッチという内容から、ぐっと社会性の強いものになったと思いますが、そのように分岐していった時はどう思われましたか。


前田:むしろ、きっとやりたかったことに近づいたのだろうという感じはありました。当初はドラマという枠組みの中で成立させなければと、自分の中で勝手に思っていた部分もあったのですが、渡辺さんと話をしていく中で、そういう小手先のことではなく、もっと本質的な部分を気付かされました。


伝えたいことがあるのなら、それをフィクションに起こす方法はいくらでもあるし、むしろそれが今回実現できるということが、すごくモチベーションになりました。社会性の強いものを作るということは、社会とより密に接続したものになるかもしれないと、そう思えたことはすごく良かったですね。




Q:多くの方の熱い支持もあり、ドラマが劇場公開するまでになりました。ここまで多くの方を惹きつけたこの作品の魅力は何でしょうか。 


前田:日本ではその存在自体が珍しい、古い学生寮が抱える問題を扱った作品なので、どれだけその内容が伝わるか、一抹の不安もありました。なので、放送後の皆さんの反響の大きさには驚きました。


みなさんが抱えている、世の中に対する生きづらさや、何か釈然としないモヤモヤした部分が、今回の作品で象徴的に描いた「壁」という問題と、どこかで繋がったのではないかと思います。それにしても、これほど多くの方が同じ気持ちを抱えているとは思いませんでした。


Q:この作品に共感してくれる方は、本当に多い印象があります。


前田:そうですね。もちろん、この寮には大切なものがあるし、そういうものを伝えたいという気持ちがすごくありましたが、まさか、ここまで皆さんに共感いただけるとは思っていませんでした。すごくありがたいことなんですけど、本当に驚きましたね。



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