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【CINEMORE ACADEMY Vol.3】プリプロダクション編 映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』の作り方

【CINEMORE ACADEMY Vol.3】プリプロダクション編 映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』の作り方

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助監督、撮影監督、編集技師はなるべくこっちで決めたい



Q:スタッフィングについても伺いたいのですが、スタッフの皆さんはどうやって決めていくのでしょう?


藤井:僕の中では、監督を受ける時に「ここは僕が決めさせてください」ってお伝えします。具体的には、助監督、撮影監督、編集技師ですね。


駆け出しの時に、「プロってこういうものだよ」とスタッフも大ベテランの人たちが集まり、なし崩し的にプリプロダクションがなされたことを経験してるので、助監督、撮影監督、編集技師はなるべくこっちで決めます。あと、撮影監督が照明技師を決めるっていうシステムにしてますね。


Q:「藤井組」を形成するメンバーですね。


藤井:僕にオファーしてくれてるってことは、「僕たち」の映画を評価してくれているんだと思うんです。ラインプロデューサーや制作部など、プロデューサーと一緒にお金を管理したり、現場が爆発しないようにコントロールする部署は、プロデューサーの意志が通る人じゃないと厳しいと思うんですよ。なので、それらのポジションは浩子さんに決めていただきました。


僕はよく「旅団」と言っているのですが、1年スパンとかで一緒に旅をするんです。僕が受けている来年の仕事のラインナップは、助監督、撮影監督、編集技師と共有しているんです。そうするとみんなのスケジュールも把握できますし。同じチームでやってると、「ここの期間、俺が脚本書くから待たせてスケジュール空けちゃってる……。申し訳ないな、じゃあCMの仕事をお願いしよう」みたいに動けるんです。




Q:非常に合理的ですね。藤井さんのこのやり方は、前田さんにとっては珍しいパターンなのでしょうか。


前田:監督の映画制作の経験値によっても違いますね。例えば私が何本かご一緒した細川徹監督は、舞台出身でそんなに映画を撮ってきていなかったので、こちらで選んで、ご紹介して進めていきました。


ただ、カメラマンは監督の目となり、求める画を抑える「監督の女房役」と言われるポジションなので、監督にまず意見を聞きますね。今回は脚本に時間を掛けて作っていった分、こういう世界を追求したいっていうのも見えていたから、藤井さんから具体的に名前が出てきました。


藤井さんのキャリア的にも、自分のチームがまとまっていく時期でもあったので、イニシアティブをお渡ししました。私が選んだスタッフと監督が選んだスタッフが意気投合して、一丸となれたのはラッキーだったと思います。


藤井:選定の際の第一条件として、絶対的に「いいやつ」はあります。現場でスタッフを怒鳴るとか、そういう人は僕の組には必要ない。丁寧に、一緒にものづくりできる人にお願いしています。



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