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『甲子園:フィールド・オブ・ドリームス』山崎エマ監督 NYから帰国後、高校野球が日本社会の縮図に見えたんです。【Director’s Interview Vol.73】

『甲子園:フィールド・オブ・ドリームス』山崎エマ監督 NYから帰国後、高校野球が日本社会の縮図に見えたんです。【Director’s Interview Vol.73】


働き方改革に代表される日本社会の変化の波は、高校野球にまで押し寄せる。そんな中でも甲子園出場を目指す、監督と選手たちの情熱と葛藤。高校野球の名門、神奈川県の横浜隼人高校と岩手県の花巻東高校に、徹底した密着取材を行ったのは、ニューヨークを拠点に活動する映像作家・山崎エマとアメリカ人スタッフたち。海外から見た視点だからこそ浮かび上がる、高校野球と日本の今とは?


これまでとは全く違った視点を持って、高校野球の新たなドキュメンタリーを手がけた、山崎エマ監督に話を伺った。


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海外に出たからこそ見えてきた日本



Q:今回、なぜテーマとして「甲子園」を取り上げたのでしょうか。


山崎:中学・高校時代は兵庫県の西宮市に住んでいまして、車で15分くらいのところに甲子園があったんです。ニューヨーク・ヤンキースの田中将大選手が自分の二つ上の世代ということもあり、高校野球にはもともと馴染みがありました。その後、アメリカの大学に行って、ニューヨークに9年住んでいたのですが、野球って同じスポーツなのに日本とアメリカで全然違うんです。そんなところも面白いなって、ずっと興味は持っていました。


監督として一本目の長編作品を作り終えてからは、次の作品では、日本を世界に発信したいという思いが強くなり、2017年から東京に住むようになりました。その時ちょうど夏の甲子園が99回大会で盛り上がっていて、10年ぶりくらいに甲子園を堪能しました。街中でも定食屋でも、仕事の打ち合わせに行っても、テレビで甲子園が流れている。自然に生活の中に溶け込んでいるんですよね。あぁ、確かにこんな感じだったなって思い出しました。


また、アメリカの生活が長かったこともあり、帰国後は日本の風習に目がいくようになってまして、電車が時間通りに来るとか、順番を抜かすことなく人がちゃんと並ぶとか、ニューヨークと全然違うんです。そういう日本社会のあり方にいちいち感動していました。普段は当たり前に思っていた日本の風習ですが、海外に出たことで改めてそのすごさに気づきましたね。


高校野球も同じで、ヘルメットがビシッと並んでいるところとか、チームのためにそれぞれの役割を持って、キビキビやっているところに目がいったんです。そうして見ていくと、高校野球が何だか日本社会の縮図みたいに見えてきました。


当時は、次の甲子園が100回記念大会だったこともあり、今このタイミングで高校野球を撮れば、高校野球を通して日本の社会のあり方と未来が見えてくるんじゃないかなと思ったんです。




Q:取材前は高校野球に関するイメージはどういうものでしたか。


山崎:中学・高校で通っていた学校はインターナショナルスクールだったので、部活としての高校野球を直接的に見ていたわけではありませんでした。隣の高校のグラウンドから聞こえてくる掛け声の印象しかなかったですね。


取材を始めて、色んな学校に足を運んで練習を見学したり、監督さんの指導を見ているうちに、何となくイメージ出来てきた感じでした。とにかく前知識なく突入しましたね。


Q:では、この撮影を通じて、初めて日本の部活(高校野球)に接したんですね。


山崎:そうですね。自分自身も部活に憧れていたところがありました。インターナショナルスクールって季節ごとにスポーツを変えたりするんです。冬はバスケで、夏は野球、みたいな感じですね。だからひとつのスポーツに青春を捧げるみたいなものってあまりないんです。自分はダンスをやっていたのですが、そういう意味でも日本の部活に対する憧れはありましたね。



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