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『音楽』岩井澤健治監督 実写で既にあるものも、アニメになった瞬間今までなかったものになる【Director's Interview Vol.98】

『音楽』岩井澤健治監督 実写で既にあるものも、アニメになった瞬間今までなかったものになる【Director's Interview Vol.98】

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“売れるモノ“を意識する



Q:現在『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』が歴史を塗り替える大ヒット中です。もちろん面白かったのですが、この『音楽』も負けず劣らず面白いと思います。監督自身の日本のアニメに対する思いや、映画の興行収入に対する考えなどあればお聞かせください。


岩井澤:僕はその辺はめちゃくちゃ考えてますね。そもそも日本のアニメーションって、特定のファンに向けて作るものが多いんです。出てくるキャラクターの女の子がかわいかったり、人気の原作があったりとか、既に決まった表現の中でやっていて、元々多様性がないんですよ。


でもそれだと、表現としては面白くないし、逆に考えると、まだ出てきてない表現はいっぱいある。今回の『音楽』のようなオフビートな青春モノって、実写だったら今までいくらでもあったのですが、アニメとなった瞬間に今までなかったものになる。そこで勝負できるなと思いました。周りを見渡して「こういうのないな。じゃあ作ろう」って始める。もちろん完成させるまで相当大変ですけど、でも作ったらそれだけでもう目立つんです。


だからといって、独り善がりな内容にするのではなく、どうすれば多くの人に楽しんでもらえるか、かなり意識しています。森田というキャラクターは、映画だと準主役みたいになっていますが、実は原作だとかなりチョイ役なんです。森田って膨らませられる余地があったので、見ている人が感情移入できるキャラクターにしました。一回挫折させて再び立ち上がらせて、少年漫画によくあるような要素を意識して入れました。作るからには皆が楽しめて売れるものにしたいんです。



(C)大橋裕之 ロックンロール・マウンテン Tip Top


Q:この映画は、いい意味ですごく普遍性があるなと感じました。結構マニアックな話なのかなと思いきや、立派なエンターテイメントで、小学生が見ても楽しめるものになっている。もっと広がっていくといいなと思いますね。


岩井澤:『音楽』は自主制作だったので、宣伝費がほとんどなかったんです。今回、コロナの影響で映画館の上映に空きが出たこともあり、地方のシネコンなどでも上映できたのですが、宣伝が全く出来なかったこともあり、動員には結び付けられませんでした。宣伝費ってきちんとお金を掛ければ、掛けただけの効果が見込めるものだと、今回学びましたね。


『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』がヒットしているのは、単なる偶然ではなく、宣伝などいろんな歯車がうまくハマった結果、ここまで盛り上がっているんだと思います。向こうはメジャー映画だから…。などとは思わずに、何故ここまで受けているのか、いろいろ調べて今後の参考にしようと思っています。



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