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『鬼滅の刃』に宿る名作漫画への敬愛と「人の弱さ、心の強さ」の美学『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』

(c)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

『鬼滅の刃』に宿る名作漫画への敬愛と「人の弱さ、心の強さ」の美学『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』


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約7年の時間をかけて、大ヒットコンテンツに



 まさに、空前絶後のフィーバー状態。歴史的な大ヒットコンテンツに成長した『鬼滅の刃』の勢いが、止まらない。


 漫画家・吾峠呼世晴氏の手によって生み出された本作。独自の画風や死生観、ドラマ性などは読み切り作品の時点で評価されていたものの、連載開始に至るまでは雌伏の年月を過ごしたという(前身となる短編『過狩り狩り』が発表されたのは、2013年。その後、プロトタイプとなる『鬼殺の流』ののち、『鬼滅の刃』に至る)。


 しかし、試練を乗り越えて2016年2月に『週刊少年ジャンプ』で連載を開始すると、徐々に支持を獲得。順調に発行部数を重ね、2018年6月にはTVアニメの制作が発表された。ちなみに、ジャンプ掲載作品では、『僕のヒーローアカデミア』が連載開始から約1年後にアニメ化の発表がされ「早くもアニメ化」と言われ、直近では『約束のネバーランド』が連載開始から約2年でアニメ化が発表、『呪術廻戦』のアニメ化発表が連載開始から約1年半のタイミング。他作品と比較しても、堅実な道をたどってきたといえるのではないか。


 そして、2019年4月からはTVアニメの放送が開始。ここにはちょっと面白い動きがあり、放送開始前に劇場で先行上映が行われている(ワールドプレミアも同時実施)。この辺りからも自信のほどがうかがえるが、TVアニメが放送開始されると、アニメーション制作スタジオ「ufotable」による美麗な映像表現やキャストの熱演等、クオリティが原作ファンを問わずに絶賛された。



 深夜帯にもかかわらず、TVアニメ放送直後から人気に拍車がかかり、放送時には350万部だったコミックスの累計発行部数は、9月末のアニメ終了時には1,200万部に。2020年10月時点で、堂々の1億部を突破(電子版含む)。近年の『週刊少年ジャンプ』掲載作品では、『ONE PIECE』や『NARUTO -ナルト-』、『BLEACH』等に続く快挙だが、連載からわずか4年での達成は、極めて異例だ。


 勢いそのままに、2020年10月16日には、映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が劇場公開された。上映チケットの予約開始時には、アクセスが集中して「サイトにつながらない」等の声がSNS上にあふれ、1日に40回以上の上映スケジュールを組む劇場もあり、「前代未聞」と話題に。


 当然ながら、公開初日も劇場では満席が続出。グッズ売り場には長蛇の列ができた。新型コロナウイルスの影響で国内外の大作が軒並み公開延期を余儀なくされている現状も影響しているだろうが、「ヒットを確約された」映画であり、「新型コロナウイルスに被害を受けた映画産業の救世主」としての活躍も、大いに期待されている。


 現状の熱狂ぶりだけを見ると、たしかにここまでの“祭り”状態は驚異的ではあるのだが、『鬼滅の刃』連載に至るまでの年月、さらに本コンテンツが連載初期からコツコツと積み上げてきた実績を振り返れば、この人気が決して一過性のものではないと断言できる。


 今回は、『鬼滅の刃』ならではの特長を改めて考察しつつ、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の魅力についても迫っていきたい。



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