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世界で活躍する映画監督・深田晃司、監督作15作品を本人が一挙解説!
『ヤルタ会談オンライン』TV初・未ソフト化 2019年 / 40分 / 日本
(C)Seinendan / TOKYO GARAGE
監督・編集:深田晃司
出演:松田弘子 島田曜蔵 緑川史絵
コロナ禍で次々と映画祭が中止になるなか、トライベッカ国際映画祭の呼びかけで世界21の映画祭が参加したオンライン映画祭「We Are One: A Global Film Festival」のために、東京国際映画祭からの依頼で制作した短編。
東京国際映画祭から依頼がきたとき、ちょうどコロナ禍で公演の機会を失った俳優たちが「ZOOM演劇」なるものを始めていた時期だったが、青年団の人気演目『ヤルタ会談』ほどZOOMで演じるのに適した戯曲はないぞと気づいてしまった自分はそれがどうしてもやりたくなってしまった。恐らく、ZOOMで映画らしきものを作るという手法自体は時代の徒花で、来年にはもう飽きられ陳腐化しているに違いない。やるなら今がベストだし、しかもいまだにヨーロッパ主導の価値基準から抜け出しきれない「国際映画祭」の場で、欧米首脳によるアジア差別的なこの会談を配信するのも愉快なのでは、と一念発起して思いついてから二週間で完成させた。それも、稽古はほとんどなしで即座に演じることができた俳優たちのおかげです。
もう一本、リモートで撮影した3分の短編『move / 2020』もYouTubeで配信中。対照的な作品なのでぜひご覧ください。
『本気のしるし』連続ドラマ版 2019年 / 23分10話 / 日本
(C)星里もちる・小学館/メ~テレ
監督・脚本(共同)・編集:深田晃司
原作:星里もちる「本気のしるし」(小学館 ビックコミックス刊)
出演:森崎ウィン、土村芳、宇野祥平、石橋けい、福永朱梨、忍成修吾、北村有起哉
星里もちる先生の同題の原作漫画をメ〜テレで連続ドラマ化した作品。
もともと20歳のときにこの原作は読んでいて、とにかく掴みの上手いストーリーテリングと映像的な演出にはまりこみ、当時はすでに映画学校にも入っていたので、これは実写化しても面白いのではと思うようになった。当時からすでに友人たちに漫画を勧めては「実写にしたい」と言いふらしていたのを覚えている。2016年に、その言葉を真に受けてくれたプロデューサーの戸山剛さんがすぐに原作を取り寄せ読んでくれて、企画書をメ〜テレに持っていこうということになり、願望はしつこく口に出していくべきだなと思いました。原作と向き合いながら思っていた以上に、自分はこの漫画に影響を受けているのではと感じた。特にビンタのくだりとか。自分の映画にはほぼすべてビンタのシーンがある。
実写化にあたり、まずは連続ドラマにしたのは、単純にこの原作を2時間前後の一般的な映画の尺に収めるのは難しいという判断だったけど、実際に4時間の映画の企画書を書いて映画会社に売り込んで回っても成立はしなかったであろうことを思うと、結果として再編集して「劇場版」が作れたので正しい判断だったのだと思う。カンヌにまで入ったし。コロナで中止になったけど。
劇場版は現在全国公開中。好評につき2021年1月16日より渋谷シアター・イメージフォーラムにて東京再上映が決定しました。結構異例です。お客さんの反応をみる限りドラマ版を見ても劇場版は楽しめるようです。ぜひお越しください。
『本気のしるし』公式サイト: https://www.nagoyatv.com/honki/
監督:深田晃司
1980年生まれ。2006年『ざくろ屋敷』を発表。パリ KINOTAYO 映画祭ソレイユドール新人賞受賞、2008 年『東京人間喜劇』を発表、ローマ国際映画祭選出。2010年、『歓待』を発表、東京国際映画祭「日本映画・ある視点」 部門作品賞、プチョンファンタスティック国際映画祭最優秀アジア映画賞を受賞。13年『ほとりの朔子』でナント三大陸映画祭グランプリ受賞。2016年日仏合作となる『淵に立つ』が第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門 審査委員賞を受賞。2017年第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。2018年フランス芸術文化勲章 「シュバリエ」を受勲。 2019年7本目となる長編映画『よこがお』(日仏合作)を発表。『本気のしるし』は初のテレビドラマ監督作であり、劇場公開用に再編集された《劇場版》が第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション2020に選出された。
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「いま、映画作家たちは2020-2021 深田晃司の場合」
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