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アジア系俳優として初のオスカー主演賞ノミネート。『ミナリ』のスティーヴン・ユァンが語る、作品に誘われる喜び【Actor's Interview Vol.13】

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アジア系俳優として初のオスカー主演賞ノミネート。『ミナリ』のスティーヴン・ユァンが語る、作品に誘われる喜び【Actor's Interview Vol.13】

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固有の視点をもった才能との出会い



Q:それにしても、ここ数年、出演した作品が高い評価を受けています。傑作を予想する能力もすぐれているのでは?


ユァン:いや、その能力は足りないと思います(笑)。僕自身、プロジェクトを選ぶのは苦手で、基本的にオファーのあった作品を受けるケースが多いんですよ。強く惹かれるのは、独自の「声」をもった作品でしょうか。作品に自信が溢れているかどうかも感じ取ろうとします。その意味で、ポン・ジュノ、イ・チャンドン、今回のリー・アイザック・チョンは、固有の視点をもった才能だと断言できますね。次に控えている『ヒューマンズ(原題)』のスティーブン・カラム監督にも同じものを感じます。


『ミナリ』©2020 A24 DISTRIBUTION, LLC   All Rights Reserved.


Q:ハリウッドではアジア系の俳優へのオファーも増えているのでしょうか?


ユァン:いや、そこは、まだまだ足りないですね。だから、持ち込まれるのをじっと待つことが多いんです。


Q:今後の俳優としての野心はありますか?


ユァン:もちろん模索していきたい方向性はいろいろありますし、自分がやりたい企画を発信しなければいけないとは思います。でも今の僕は、自分から探すというより、何かのプロジェクトに誘われ、その空間で自分の才能を広げることに喜びを感じている気がします。やりたい役を必死に探すと、その時点で視野が狭くなってしまう。狭い視野で役を掘り下げた場合、核心が見えたとしても、はたしてそれが伝えたい作品になっているのか……。そんな風に考えてしまうんです。


まぁ簡単に言えば「なんでも演じられますよ! 声かけてくださいね!」ってことなんですけどね(笑)。



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スティーヴン・ユァン

1983年、韓国、ソウル生まれ。大ヒットTVシリーズ「ウォーキング・デッド」(10~16)のグレン・リー役で人気を獲得し、世界中にその名を知られる。また、イ・チャンドン監督の『バーニング 劇場版』(18)で、ロサンゼルス映画批評家協会賞、シカゴ映画批評家協会賞、全米映画批評家協会賞など数々の賞に輝き、演技派俳優としての地位も確立する。

主な出演作は、『アイ・オリジンズ』(14)、ティルダ・スウィントン、ジェイク・ギレンホール、ポール・ダノ共演、ポン・ジュノ監督の『Okja/オクジャ』(17)、『Z Inc. ゼット・インク』(17)、『ホワイト・ボイス』(18)、ギレルモ・デル・トロ製作総指揮のTVアニメシリーズ「ウィザード: アルカディア物語」(20・声の出演)など。



取材・文: 斉藤博昭

1997年にフリーとなり、映画誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。 



『ミナリ』

3月19日(金) TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー

配給:ギャガ

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