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『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』「映画を撮るために生きている」池田暁監督の奇異なる世界を楽しみ抜いた、前原滉&きたろう【Director’s Interview Vol.109】

『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』「映画を撮るために生きている」池田暁監督の奇異なる世界を楽しみ抜いた、前原滉&きたろう【Director’s Interview Vol.109】

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お互いにオススメしたい映画は……



Q:最後に、御三方がそれぞれにオススメしたい映画を教えてください。


池田:僕はヤン・シュヴァンクマイエル監督の作品が大好きなんです。ストップモーション・アニメと実写が融合したような彼の世界観が好きで、自分もいつかストップモーション・アニメを使った映画を作りたいなと思っています。


きたろう:僕は『ゆきゆきて、神軍』(87)。あれはやっぱり面白いね。ドキュメンタリーなんだけど演技っぽさもあって、どこが境界なのかと思わされる。ぜひ観てほしいな。原一男監督の制作ノートも読んだんだけど、これもまた面白い。


池田:僕、まだ観られていないんですよ。ずっと観たいなと思いつつ……。


きたろう:あれは面白いよ! ぜひ観なきゃ。池田監督の世界観に通じるものがあると思う。


Q:前原さんは、池田監督ときたろうさんにオススメするとしたらいかがですか?


前原:僕よりも確実に映画をご覧になっているふたりですからね(苦笑)。あえて観ていないであろうところで……『ゴッドタン』の人気コーナー『キス我慢選手権』を映画化した『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』(13)をオススメします(笑)。


Q:意外なところから!


前原:はい(笑)。でもこの映画も、ドキュメンタリーといえばそうなんですよ。劇団ひとりさんだけが何も知らない状態で、映画の世界に放り込まれる中でアドリブで演技をするんです。彼は台本を知らないからかみ合わないはずなんですが、劇団ひとりさんのアドリブがすごすぎてどんどん話が膨らんでいくんです(笑)。


池田・きたろう:へぇー。


前原:良かったら、観てみてください(笑)。



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監督:池田暁

1976年1月11日生まれ、東京都出身。日活芸術学院美術コース在学中に、鈴木清順作品を手がけたことでも知られる木村威夫美術監督と出会い、薫陶を受ける。初の長編映画『青い猿』(07)が、第29回ぴあフィルムフェスティバルにて観客賞を受賞。その後、クリップを手作業で生産する工場で働く男の淡々とした日々が見知らぬ人々との出会いを経て変化していく様を描いた『山守クリップ工場の辺り』(13)で、第43回ロッテルダム国際映画祭、第32回バンクーバー国際映画祭でグランプリ、第35回ぴあフィルムフェスティバルにて審査員特別賞を受賞。各国の映画祭で上映され、注目を浴びる。続く『うろんなところ』(17)は、第30回東京国際映画祭、第47回ロッテルダム国際映画祭、第20回台北映画祭、第35回エルサレム映画祭などで上映される。2018年にはndjc 2017で短編映画「化け物と女」を35mmフィルム撮影で製作。本作は長編4作目となる。





前原滉

1992年11月20日生まれ、宮城県出身。連続テレビ小説「まんぷく」(18/NHK)、大河ドラマ「おんな城主 直虎」(17/NHK)、「いだてん~東京オリムピック噺~」(19/NHK)などの話題作をはじめ、近年ではドラマ「あなたの番です」(19/NTV)、「私たちはどうかしている」(20/NTV)、「バベル九朔」(20/NTV)、「直ちゃんは小学三年生」(21/TX)、「俺の家の話」(21/TBS)、映画『あゝ、荒野』(17/岸善幸監督)、『栞』(18/榊原有佑監督)、『うちの執事が言うことには』(19/久万真路監督)、『JKエレジー』(19/松上元太監督)、『シグナル100』(20/竹葉リサ監督)、『とんかつDJアゲ太郎』(20/二宮健監督)など、活躍の幅を広げている。初主演映画となる本作では、ドライにさえ見える真面目な兵隊・露木の心の機微を丁寧に表現し、からくり人形のようなキャラクターを見事に演じ切った。





きたろう

1948年8月25日生まれ、千葉県出身。劇団俳優座小劇場(俳小)を退団後、79年にコントグループ「シティボーイズ」を結成。近年の主な映画出演作に『殿、利息でござる!』(16/中村義洋監督)、『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』(17/河合勇人監督)、『忍びの国』(17/中村義洋監督)、『モリのいる場所』(18/沖田修一監督)、『体操しようよ』(18/菊地健雄監督)、『ロマンスドール』(20/タナダユキ監督)、『水曜日が消えた』(20/吉野耕平監督)など。池田暁監督作品には、短編『化け物と女』(18)に続く出演。



取材・文: SYO

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイト勤務を経て映画ライター/編集者に。インタビュー・レビュー・コラム・イベント出演・推薦コメント等、幅広く手がける。「CINEMORE」 「シネマカフェ」 「装苑」「FRIDAYデジタル」「CREA」「BRUTUS」等に寄稿。Twitter「syocinema





『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』

2021年3月26日(金)テアトル新宿ほか全国順次ロードショー!

(c)2020「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」フィルムプロジェクト

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