1. CINEMORE(シネモア)
  2. Director‘s Interview
  3. 『サマーフィルムにのって』監督:松本壮史 × 脚本:三浦直之 魅力あふれるキャラクターたちは大喜利から生まれた!【Director’s Interview Vol.131】
『サマーフィルムにのって』監督:松本壮史 × 脚本:三浦直之 魅力あふれるキャラクターたちは大喜利から生まれた!【Director’s Interview Vol.131】

『サマーフィルムにのって』監督:松本壮史 × 脚本:三浦直之 魅力あふれるキャラクターたちは大喜利から生まれた!【Director’s Interview Vol.131】

PAGES


キャラクター大喜利で見えてきたキャラ



Q:映画は盛り沢山で色んなものが詰め込まれていますが、決して破綻せず成立しています。話を収集させるのは大変だったのではないでしょうか。


三浦:大変でしたね。ラストは最初に作っていて、最終的にはそこに辿り着くのを前提にしていました。ただ、どういう道筋を辿ってそこに着地させるかは、何回も練り直しました。


Q:映画自体は97分と結構タイトにまとまっています。元々はもう少し長かったりしたのですか?


松本:そうですね。初稿は2時間半でした。ただ、自分が90分くらいの映画が好きなこともあり、且つ映画の内容的にもその位がいいなと思い、割と初期段階で三浦さんに相談して90分台にしました。


Q:主人公たちは映画作りに青春をかけていますが、作った映画の内容をどうするか、完成品を見せるかどうかについて、脚本上の扱いは難しかったのではないでしょうか。その辺りはどのように決めていかれたのですか。


三浦:彼女たちは時代劇を撮っているのですが、その内容自体が伝わらなくても、面白さは出せると最初から思っていました。とにかくこの映画は要素が多いから、なるべく色んなものを切っていきましたね。例えば、高校生だけの物語にして大人は出さない、家族の物語は描かないとか。


松本:キャラクターもかなり多いしね。


三浦:どの要素を切っていくかはけっこう考えましたね。



『サマーフィルムにのって』© 2021「サマーフィルムにのって」製作委員会


Q:映画を撮る仲間たちは全部で八人。ライバルチームのメイン二人もいれると、十人にもなります。それでも誰ひとり存在感が薄くならず、全員のバランスが絶妙でした。


三浦:これは松本さんの美点なのですが、ディテールを作っていく力がすごいんです。だから、青春モノの王道なプロットでも、その一つ一つのディテールの部分にオリジナリティが生まれてくれば、きっとすごくいい映画になるんじゃないかと。ちょっとした脇役にどの位キャラ付けするかみたいなことが、松本さんはすごく得意なので、なるべくそういう要素を脚本に入れていきました。


松本:最初の打合せでキャラクター大喜利みたいなのをやって、そこでほぼほぼ全員のキャラが見えましたね。確か三浦さんが、投球音でピッチャーを判断できる録音部二人の設定を考えて、僕が照明部のヤンキーのアイデアを出したりしました。


三浦:キャラに対して「そいついいね、素敵だわー。」みたいな感覚は、二人とも似てましたね。


Q:あの子たちが撮影スタッフに関わってくるとは思っていなかったので、映画を観ていて驚きました(笑)。すごく細かい話なのですが、録音スタッフとして活躍する野球部員は二人いますが、一人ではなく二人にした理由は何かあるのでしょうか。


松本:あのボンクラの二人ね(笑)。


三浦:自分たちだけの趣味で盛り上がっている二人が、かわいかったんですよね。


松本:あいつらは、めちゃくちゃ野球愛があるんです。


三浦:そうそう(笑)。


松本:その野球部の二人と、普通だったら絶対交わらないようなヤンキーが、後半では仲良くなっていたり。そういう違う子たちが一つになっていくのは、この映画でやりたいと思っていましたね。



PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. Director‘s Interview
  3. 『サマーフィルムにのって』監督:松本壮史 × 脚本:三浦直之 魅力あふれるキャラクターたちは大喜利から生まれた!【Director’s Interview Vol.131】