漫画家・浅野いにおが、2009年に発表した「うみべの女の子」。「思春期」「恋」「性」を真正面から描いたこの作品が、この夏映画化される。浅野作品が映画化されるのは『ソラニン』(10)以来11年ぶりのことだ。
物語の主人公は中学二年生の佐藤小梅と磯辺恵介。恋人同士ではない二人だが、いつしか体の関係を繰り返すようになり……。この、思春期特有の危うくてもろく、繊細な心をもった二人を演じたのは、今回W主演となる石川瑠華と青木柚。
撮影当時、22歳の石川瑠華と19歳の青木柚は、いかにして中学二年生の小梅と磯辺になり得たのか? 二人に話を伺った。
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強い意志で臨んだオーディション
Q:本作出演の経緯について、それぞれ教えてください。
石川:私はオーディションを受けました。中学生役ということで、年齢的にかなり難しいかなと思っていたのですが、原作を読んでからは、主人公の小梅にすごく惹かれてしまいました。とにかく自分が小梅を演じたい!他の人には演じてほしくない!という一心で、オーディションに臨みました。
青木:僕も同じくオーディションを受けました。浅野いにおさんも「うみべの女の子」のことも知っていて、オーディション前に読んだ時に、なんだか磯辺という人物と出会ってしまったような感覚があって、漫画の人物にここまで心を動かされたのは初めての経験でした。磯辺が抱えている“痛み”は、自分にも覚えがあり、もし自分が磯辺を演じることが出来たら、ものすごく大きな経験になると思ったんです。それで、強い意志を持ってオーディションに参加しました。
『うみべの女の子』石川瑠華
Q:オーディションでの審査は何段階かに分かれていたのでしょうか。
青木:オーディションがどう進んでいたかは分からないのですが、磯辺と僕がビジュアル的に似ていると、監督やスタッフの方々に言っていただいて、それもあってなのか、1回で決まりました。
石川:2次審査があるようなことは聞いていたのですが、私も結果的に1回で決めていただきました。