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『ディナー・イン・アメリカ』アダム・レーマイヤー監督 畑に種を撒き、作物を育てるかのごとき映画作りとは【Director’s Interview Vol.144】

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『ディナー・イン・アメリカ』アダム・レーマイヤー監督 畑に種を撒き、作物を育てるかのごとき映画作りとは【Director’s Interview Vol.144】

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最も重要な「歌」はリハーサルでの録音だった



Q:パティ(エミリー・スケッグス)はすごくチャーミングで大胆、サイモン(カイル・ガルナー)は粗野だけど実は繊細な部分もある、その対比が秀逸だと思いました。2人は本当にはまり役でしたね。


レーマイヤー:カイルとエミリーは本当に理想のキャティングだったと思います。体当たりで作品に全てを捧げてくれたので、あっという間に役になりきっていました。


撮影前のリハーサルは、2人にデトロイトへ来てもらいました。そしてリハーサルの初日と2日目に、劇中で使う楽曲のレコーディングしたんです。そこからは、ひたすらその世界に没入してもらいました。余計なことを考える隙を与えないよう、リハーサルの2日目に、映画の中で一番大事なピースとなるエミリーが劇中で歌う曲をレコーディングしました。



『ディナー・イン・アメリカ』© 2020 Dinner in America, LLC. All Rights Reserved


Q:あの歌はリハーサルで録音されていたんですね。


レーマイヤー:あの歌を最初にレコーディングすることによって、主役の2人には作品の着地点をわかってもらえたと思います。あのレコーディングは、まるで木の枝にゴムをつけたパチンコで石を飛ばしたような感覚でした。石の着地点がわかることで、そこに向かって演じることができたわけです。


この映画の音楽はプロの作曲家がスタジオで書いて、それを俳優たちが歌う、という機械的なやり方ではなく、エミリーとカイルとの有機的な協同作業によって作り上げていったものなので、本当に彼らのエネルギーが注入されているんです。それがあったから、観客に激しく訴えかける作品になった気がします。


観客はエミリーがあの曲を作るまでの過程をずっと見ているので、あの歌に自然に心が入り込むことができます。それに対するサイモンのリアクションも、とても感動的でした。あのシーンを撮影していた現場ではスタッフも本当に感動していました。2人が心をオープンにして演じてくれたおかげです。彼らとのコラボレーションは本当に夢のような体験でした。




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