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『メインストリーム』ジア・コッポラ監督、いまのSNSは怪物的【Director’s Interview Vol.148】
メインストリーム的な映画ではないという皮肉
Q:アンドリュー・ガーフィールドやマヤ・ホーク、ナット・ウルフというスターも揃っていますし、「本作の資金集めに苦労した」というお話は意外でした。
ジア:インディペンデント映画を作ること自体、いまの時代は難しいですからね……。特にこの映画に関しては、ホラーのようなジャンルが定まった映画でもなく、シニカルで風変わりな作品です。そのため「売るのが難しい」という判断をされてしまったんです。こんなタイトルですが、メインストリーム的な映画では全くないんですよね。
Q:なるほど……。
ジア:キャスティングに関しては、役に適した俳優を選びました。アンドリューは経験豊富で知的な役者ですが、いままでと違う変わった役柄を演じてほしいと思い、オファーしました。
『メインストリーム』©2020 Eat Art, LLC All rights reserved.
ナットは『パロアルト・ストーリー』でも組んでいて、信頼があります。前作では心を病んだ少年でしたが、今回は本人に近い心優しいキャラクターをお願いしました。マヤに関しては写真の仕事で出会ったのですが、すごく意気投合して「フランキーにぴったりだ」と感じたんです。そういった経緯で、このコラボレーションが生まれました。
Q:資金集めの部分ではご苦労されたと伺いましたが、信頼のおけるキャストとのコラボレーションは、円滑に進んだのではないでしょうか?
ジア:そうですね。テーマがすごく特殊でしたが、描きたかったのはやはり感情の部分。どうやったらその感情を引き出せるのか、4人で密に話し合いながら作っていけたのは良かったです。
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監督・脚本:ジア・コッポラ
1987年生まれ、カリフォルニア州ロサンゼルス出身。フランシス・F・コッポラの孫にして、ソフィア・コッポラの姪。写真家としても活動する傍ら、水原希子を起用したユナイテッドアローズのCMディレクターや様々なMVの監督としても活躍、若いながらコッポラファミリーの一員として着実にキャリアを重ねている。そのキャリアからファッション業界とも精通しており、2016年にはGucciのPre-Fallのコレクションと関連した短編フィルムも発表。前作『パロアルト・ストーリー』(13)に続き、長編映画作品2作目にあたる本作でも脚本と監督を務めた。
取材・文:SYO
1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイト勤務を経て映画ライター/編集者に。インタビュー・レビュー・コラム・イベント出演・推薦コメント等、幅広く手がける。「CINEMORE」 「シネマカフェ」 「装苑」「FRIDAYデジタル」「CREA」「BRUTUS」等に寄稿。Twitter「syocinema」
『メインストリーム』
10月8日(金)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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