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華麗なるコッポラ一族の“クイーン”、ソフィア・コッポラ



 『ゴッド・ファーザー』(72)は、イタリア系マフィアのコルレオーネ・ファミリー盛衰史を描いた物語だった。監督のフランシス・フォード・コッポラが偉大だったのは、この作品を犯罪映画ではなく、一種のファミリー・ドラマとして構築した点にある。しかもコッポラは、家族の物語を本当に家族でつくってしまったのだ。


 主人公マイケル・コルレオーネの妹役コニーを演じたタリア・シャイアは彼の妹だし、『ゴッド・ファーザー PARTⅡ』(74)で作曲を手がけたカーマイン・コッポラは彼の実父。そして『ゴッド・ファーザー PART Ⅲ』(90)でマイケルの長女メアリーを演じたのは、実娘のソフィア・コッポラだった(ちなみに、『ゴッド・ファーザー』の洗礼式のシーンで登場する赤ん坊も、生後間もないソフィアだ)。もはやコッポラ家自体が、映画界におけるコルレオーネ・ファミリーなのである。華麗なるコッポラ一族のリストを書き出してみよう。




フランシス・フォード・コッポラ/映画監督

カーマイン・コッポラ/作曲家(父)

イタリア・コッポラ/女優(母)

エレノア・コッポラ/映画監督(妻)

ジャン=カルロ・コッポラ/映画プロデューサー(長男)

ロマン・コッポラ/映画監督(次男)

ソフィア・コッポラ/映画監督、ファッションデザイナー、女優(長女)

マーク・コッポラ/映画監督(甥)

クリストファー・コッポラ/映画監督(甥)

ニコラス・ケイジ/俳優(甥)

ジェイソン・シュワルツマン/俳優(甥)

ロバート・シュワルツマン/俳優・歌手(甥)

ジア・コッポラ/映画監督(孫)


 うーむ、壮観なり。まるで「映画産業に身を投じない者は、コッポラ家にあらず」と言わんばかりの陣容である。そんな華麗なるコッポラ一族をいま牽引しているのが、齢80を過ぎたフランシス・フォード・コッポラではなく、長女のソフィア・コッポラであることは、衆目の一致するところだろう。しかし彼女は当初、映画界と距離を置いていたのである。



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