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『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』ジョン・ヒューズの定義を更新したソーシャルメディア時代の学園映画

(c)2018 A24 DISTRIBUTION, LLC

『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』ジョン・ヒューズの定義を更新したソーシャルメディア時代の学園映画

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『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』あらすじ

中学校生活の最後の一週間を迎えたケイラは、「学年で最も無口な子」に選ばれてしまう。不器用な自分を変えようと、SNSを駆使してクラスメイト達と繋がろうとする彼女だったが、いくつもの壁が立ちはだかる。人気者のケネディは冷たいし、好きな男の子にもどうやってアプローチして良いか分からない。お節介ばかりしてくるパパはウザイし、待ち受ける高校生活も不安でいっぱいだ。中学卒業を前に、憧れの男子や、クラスで人気者の女子たちに近づこうと頑張るが…。


Index


ジャド・アパトーに学んだ、人気youtuberの初監督作



 多くの青春映画では、整った肌を持つ20代前半から中盤の女優が美しく化粧をし、実年齢より下のティーンエイジャーの役柄を演じている。それは思春期の現実を忠実に描写したものではなく、ある種、映画的に美化したものだと言えるかもしれない。


 しかし『エイス・グレード』は、13歳の中学生の主人公役に、まだ幼児体型で顔にニキビも残る、同年代のエルシー・フィッシャーを起用した。理想化した姿ではない現代の十代の生態を温かく捉えた本作は、『フロリダ・プロジェクト』(17)のショーン・ベイカーや『スウィート17モンスター』(16)のケリー・フレモン・クレイグなど、多数の映画監督や俳優、そしてバラク・オバマ元米国大統領までもが、2018年のベスト映画の一本に挙げるほどに称賛、共感を集めた。



『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』(c)2018 A24 DISTRIBUTION, LLC


 1990年生まれの監督ボー・バーナムは、16歳の時にパロディソングを寝室で演奏する動画を投稿し始めたことで話題となり、人気Youtuberとなった。その後、大学を中退し、音楽を取り入れたスタンダップ・コメディアンとして活動を開始。18歳でジャド・アパトーと出会い、彼の映画『素敵な人生の終り方』(09)に小さな役で出演する。


 セス・ローゲンやジェイソン・シーゲル、マーティン・スター、ジョン・フランシス・デイリー、ジョナ・ヒルなど若いコメディ俳優たちに映画作りのノウハウを伝授してきたジャド・アパトーから、バーナムは脚本の書き方を学んだようだ(実現には至らなかったものの、ふたりは『アンチ・ハイスクール・ミュージカル』と呼ばれる作品の脚本を共同で執筆していた)。


 2013年には23歳でMTVのコメディ・シリーズ『Zach Stone Is Gonna Be Famous』に製作・主演を果たし、2017年には再びアパトー製作の『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』に出演。長編第一作となる本作『エイス・グレード』の脚本を26歳で執筆し、2017年夏にニューヨークのサファーンで撮影を行った。



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