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『Our Friend/アワー・フレンド』ケイシー・アフレック×ガブリエラ・カウパースウェイト監督 大事にしたのはちょっとした瞬間やニュアンス【Director’s Interview Vol.151】

© BBP Friend, LLC – 2020

『Our Friend/アワー・フレンド』ケイシー・アフレック×ガブリエラ・カウパースウェイト監督 大事にしたのはちょっとした瞬間やニュアンス【Director’s Interview Vol.151】

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ランダムな時間軸がもたらすもの



Q:監督に質問です。市井の人々のささやかな日常の積み重ねが、豊かなドラマを生み出していました。時間軸をランダムにした構成が功を奏していたと思いますが、映画全体をどのようにコントロールされたのでしょうか。


ガブリエラ:ランダムな時間軸については、ブラッド・イングルスビーが書いた脚本の通りに構成しています。末期がんの患者が死に向かっていく過程をそのまま描いても、物語の展開は予測できるし、本人や周囲の気持ちが落ちていく様子を見つめ続けるのは、ちょっと違うのではないかと思っていました。だから脚本を読んだ時はすごく効果的だと思いましたね。


そもそも全ての人間は生まれたら必ず死ぬのですが、そうやって死に向かう一本線をただただ歩いているわけではない。その瞬間瞬間を私たちは生きていて、たまには立ち止まって記憶を辿り、楽しかった日々を思い出したりする。もちろん、乗り越えなければならない苦労や悲しみもある。それら全ての出来事が人間だと思うんです。この脚本からは、それを表現できると感じました。ただ、もしかしたら観客の中には(時間軸がランダムに変わることによって)、混乱する方がいるかもしれないと懸念もありました。でも今、そこが効果的だったと言ってくださって、すごく嬉しいです。



『Our Friend/アワー・フレンド』© BBP Friend, LLC – 2020


Q:ありがとうございます。次はケイシーに質問です。マットは感情の振り幅を大きくは表に出さないものの、彼の揺れ動く感情は観ている側にものすごく伝わってきます。マットという人間をどのように理解して、マットに成っていったのでしょうか。


ケイシー:そう言ってもらえるとすごく嬉しい、ありがとう。撮影前にマットさん本人と少しだけ一緒に過ごすことができたんだ。彼に多彩な表情があるかどうかまでは分からなかったけど、ただ、複雑な心情を抱えた方だと思った。それを踏まえて自分なりのマットを演じたんだけど、監督も編集者もマットのことを同じように捉えてくれたので、それがいいパフォーマンスにつながったんだと思う。


自分としては良い演技をしたと思っても、監督や編集者と認識を共有できなかった場合は、演技の意図も伝わらない。そういうことも過去に経験したからね。映画のエモーショナルな力というのは、その作品に関わるみんなが一枚岩になって初めて発揮できるものだと思うよ。




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