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『Our Friend/アワー・フレンド』ケイシー・アフレック×ガブリエラ・カウパースウェイト監督 大事にしたのはちょっとした瞬間やニュアンス【Director’s Interview Vol.151】

© BBP Friend, LLC – 2020

『Our Friend/アワー・フレンド』ケイシー・アフレック×ガブリエラ・カウパースウェイト監督 大事にしたのはちょっとした瞬間やニュアンス【Director’s Interview Vol.151】

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マンチェスター・バイ・ザ・シー』(16)で、深い絶望と悲しみから再生していく男を演じた、ケイシー・アフレック。その演技は絶賛され賞レースを席巻、アカデミー主演男優賞までもたらした。そんなケイシーが最新作『Our Friend/アワー・フレンド』で演じるのは、妻が末期ガン宣告をされた二児の父。今度は絶望と悲しみに向かっていく男を演じるわけだが、この似て非なる設定をものともせず、味わい深い独自のキャラクターを体現して見せてくれる。


メガホンを取ったのは、ドキュメンタリー映画で経験を積んだガブリエラ・カウパースウェイト監督。本作が決して「お涙頂戴の感動作」に陥らず、温かな雰囲気を纏った佳作となりえたのは、彼女の演出手腕によるものも大きいだろう。ケイシーとガブリエラはどのように本作を作っていったのか?二人に話を伺った。



『Our Friend/アワー・フレンド』あらすじ

仕事に打ち込むジャーナリストのマット(ケイシー・アフレック)と妻で舞台女優のニコル(ダコタ・ジョンソン)は、2人の幼い娘を育てながら毎日を懸命に生きていた。だが、ニコルが末期がんの宣告を受けた日から、一家の生活は一変してしまう。妻の介護と子育てによる負担にマットは押しつぶされそうになるなか、かつて人生に絶望した時に2人から心を救われた親友デイン(ジェイソン・シーゲル)がやって来る。2年にも及ぶ闘病生活。3人の想いと苦悩が交錯していくなか、彼らが見つけた希望とは──


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ちょっとしたニュアンスや瞬間を大事にした



Q:お二人に質問です。マットとニコルの家族、そして友人のデインと、映画で綴られる彼らの日々があまりにナチュラルで、何だかドキュメンタリーを見ているかのようでした。演出および演技についてお互いにどのように話して、今回のアプローチに至ったのでしょうか?


ガブリエラ:私はドキュメンタリー出身なので、この映画がそういうアプローチになるのは、ごく自然なことでした。作品をより良いものにするためには、なるべくリアルであることが鍵だと思っていたんです。そして、観ている人が共感できるキャラクターやシーンを作りたかった。ケイシー、ダコタ、ジェイソンの3人もそのアプローチに賛同してくれて、プロデューサーもその手法を受け入れてくれました。とてもラッキーでしたね。



『Our Friend/アワー・フレンド』© BBP Friend, LLC – 2020


ケイシー:確かにそうやって撮っていたよね。監督はちょっとしたニュアンスや瞬間をとても大事にしていた。それは、この映画がリアルに感じられる要素の一つだったと思う。例えば、不安を抱えたキャラクターがいると、その何気ない仕草や目線の“その瞬間”をうまく切り取ってくれる。また、脚本に縛られることなく、セリフも自由にさせてくれたのも嬉しかったね。決められたセリフしか言えないのは、僕はあまり好きじゃないんだ。


(ここからは冗談まじりのケイシー)本来役者は、シェイクスピアのようにリアルじゃないことを、まるで自分の言葉のようにリアルに演じる必要があるんだけど、僕もジェイソンもまだその域には達していない。ジェイソンに至っては、セリフを覚えられないから現場で大きなカンペを出してもらっていた。カンペが無い時は、最初の3テイクくらいは全てNGだったね。あと彼は身長が高過ぎてね、僕は175cmだけど彼は193cmもあるから、うまく画面に入らないんだ。本当は映画なんか出るべきじゃないんだよ(笑)。


ガブリエラ:本当に全部ウソですから!気にしないでください(笑)。


Q:(笑)




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