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『Our Friend/アワー・フレンド』ケイシー・アフレック×ガブリエラ・カウパースウェイト監督 大事にしたのはちょっとした瞬間やニュアンス【Director’s Interview Vol.151】

© BBP Friend, LLC – 2020

『Our Friend/アワー・フレンド』ケイシー・アフレック×ガブリエラ・カウパースウェイト監督 大事にしたのはちょっとした瞬間やニュアンス【Director’s Interview Vol.151】

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作品選びのポイントは“監督”



Q:監督に質問です。一人の人生が終焉に向かっていくという悲しい事実がベースにあるものの、映画の随所に見られる“笑い”の要素がとてもリアルで且つそれが救いにもなっていました。この“笑い”の要素をどう捉えていたのでしょうか。  


ガブリエラ:その“笑い”の側面を捉えることはとても重要でした。これまで友情を育んできた3人は、いろんな経験を共有してきているわけで、そこには楽しくて笑い合った日々もたくさんあります。だからそれを全く見せないのは変だし、むしろしっかり見せるべきだと思っていました。


たとえ辛い記憶があったとしても、自分自身であることは変わらないし、お気に入りのジョークに笑うこともあるでしょう。また逆に、今の(末期がんという)状況が不条理過ぎて、つい笑ってしまうところもあったのではないかと思います。そういう状況に直面しつつも、みんな一生懸命生き続けて、人生を自分たちなりに楽しもうとしている。「死ぬまでにやりたいことリスト」の件などは、その象徴だと思いますね。



『Our Friend/アワー・フレンド』© BBP Friend, LLC – 2020


Q:ケイシーに質問です。作品の規模にかかわらず、出演された作品はどれも素敵な作品に仕上がっている印象がありますが、オファーを受ける基準などはあるのでしょうか?


ケイシー:監督です。監督がいる前で本当はこんなこと言いたくなかったんだけどね(苦笑)。今まで一緒にやってきた監督たちとは良い作品になることが多かったので、それはありがたいよね。でも実際に飛び込んでみないと分からないことも多い。上手く行かないこともあるかもしれないけど、リスクを負うことも大事だと思う。


Q:日本の観客にメッセージをお願いします。


ガブリエラ:この作品がみなさんの心に響いて、何かを感じるきっかけになれば嬉しいですね。日本のみなさんに直接お会いしたかったです。行けなくてとても残念。コロナなんて大嫌いです!


ケイシー:日本のみなさんはリスペクトの心を持っているし、観客もすばらしい。映画祭のスタッフも映画評論家の方もみんな素敵で、日本の映画コミュニティは大好きなんです。だから今回は来日できなくて悲しい。でも日本のみなさんに観てもらえることに、本当にワクワクしていますし、心から嬉しく思います。



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ケイシー・アフレック

1975年、アメリカ、マサチューセッツ州生まれ。1995年にガス・ヴァン・サント監督の『誘う女』で映画のキャリアをスタートさせる。その後、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(97)と、共同脚本・主演を務めた『GERRY ジェリー』(02)でガス・ヴァン・サントと再び組む。2007年に『ジェシー・ジェームズの暗殺』でブラッド・ピットと共演し、アカデミー賞®、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされる。2016年には、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』で、アカデミー賞®、ゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞など数々の主演男優賞を受賞し、実力派俳優として名を馳せる。2017年にSea Change Mediaという製作会社を設立。『容疑者、ホアキン・フェニックス』(10)、『ライト・オブ・マイ・ライフ』(19)では監督も務めている。その他の出演作は、クリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』(14)、『トリプル9 裏切りのコード』(16)、『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』(17)、『さらば愛しきアウトロー』(18)など。





監督:ガブリエラ・カウパースウェイト

ブラジル系アメリカ人映画監督。サンダンス映画祭でプレミア上映されたドキュメンタリー映画『BLACKFISH』(13・未)で、英国アカデミー賞ノミネートを始め、数多くの賞にノミネート、受賞している。「殺人シャチ」と呼ばれたシャチのショッキングな飼育状況や驚異の生態、水族館の裏側などに迫り、新しい才能として一躍注目される。2017年、『Megan Leavey』で長編劇映画監督デビューを果たす。イラク戦争で爆弾処理のために活躍した海兵隊伍長と爆発物探知犬の活躍と、引退後の一人と一匹の絆を描いた実話を基にした物語。主人公をケイト・マーラが演じた。



取材・文:香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。





『Our Friend/アワー・フレンド』

10月15日(金)新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー!

配給:STAR CHANNEL MOVIES

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