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第34回東京国際映画祭Nippon Cinema Now部門 吉田恵輔監督 ゴールは “映画界の高田純次”【Director’s Interview Vol.156】

第34回東京国際映画祭Nippon Cinema Now部門 吉田恵輔監督 ゴールは “映画界の高田純次”【Director’s Interview Vol.156】

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自分を制御して臨んだ『空白』



Q:ただ、『空白』はこれまでと趣きの違う堂々たる人間ドラマで、過去作とは違う層にも観られていると思うのですが、何か心境や取り組みの変化があったのでしょうか?


吉田:『空白』は、わりと高評価なのも想定内ではあるというか、ある種、いやらしく作ってますからね。俺の本来の性格というか、3年前の俺だったら『空白』にもブラックな笑いをめちゃくちゃ入れたと思うんです。でもそれをグッと我慢して、もうちょっと評価されるべきというか、ちゃんといい映画として見てもらうために悪ふざけしたい自分を制御して臨んだのは初めてだったんです。


『空白』予告


だから、年末に今年のいろんな映画ランキングが発表されたら、『空白』は7位か8位くらいには入るんじゃないかと思ってるんです(笑)。あと『BLUE/ブルー』も、20位内には入ってもいい気がしますね。というのも、今年はスポーツ物があんまりないので。


Q:でも、結果的にランキングに入らなくても、もう苦にはなることはないということでいいですか?


吉田:そうですね。もはやゴールは映画祭でもランキングでもなく、“映画界の高田純次”ですから(笑)。






監督:吉田恵輔

1975年生まれ、埼玉県出身。東京ビジュアルアーツ在学中から自主映画を制作し、塚本晋也監督作品の照明を担当する。2006年に『なま夏』を自主制作し、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門のグランプリを受賞。2008年に小説「純喫茶磯辺」を発表し、自らの手で映画化する。その他の監督作品に、『机のなかみ』(07)、『さんかく』(10)、『ばしゃ馬さんとビッグマウス』(13)、『麦子さんと』(13)、『銀の匙 Silver Spoon』(14)、『ヒメアノ~ル』(16)、『犬猿』(18)、『愛しのアイリーン』(18)、『BLUE/ブルー』(21)、『空白』(21)などがある。



取材・文:村山章

1971年生まれ。雑誌、新聞、映画サイトなどに記事を執筆。配信系作品のレビューサイト「ShortCuts」代表。



<第34回東京国際映画祭>

■開催期間:2021年10月30日(土)~11月8日(月)

■会場:日比谷・有楽町・銀座地区

■公式サイト:https://www.tiff-jp.net

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