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『リスペクト』リーズル・トミー監督 偉大なる「ソウルの女王」を、本人の遺志を守って映画に【Director’s Interview Vol.159】

© 2021 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.

『リスペクト』リーズル・トミー監督 偉大なる「ソウルの女王」を、本人の遺志を守って映画に【Director’s Interview Vol.159】

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演じるジェニファーの「スイートスポット」を発見



Q:アレサが実際に歌った「場所」も再現されます。


リーズル:マディソン・スクエア・ガーデンで、タイトルの「リスペクト」を歌うシーンは、この映画でも最大の見せ場です。ただ、実際のマディソン・スクエアだけではなく、デトロイトの別のホールをメインの撮影場所として使ったので、その両方をいかにして同じ場所に見せるのか。セットや照明、撮影のテクニックで、最も神経をすり減らす撮影になりました。


Q:生前のアレサの指名であるジェニファー・ハドソンですが、どこまで本人にそっくりに演じさせるのか。こういった作品では悩むポイントかと思われます。


リーズル:そのことについて、ジェニファーと撮影開始前に6ヶ月間くらい議論しました。もちろんアクセントやステージでの動き方など、アレサ本人の映像や音源を、ジェニファーはたっぷり研究してくれて、アレサの声を自分に取り込んでくれました。ただし、単なるモノマネにすることだけは避けるというのが、私たちが同意した結論でした。他にも実在の人物が登場しますから、モノマネを強いていたら、際限がなくなるのです。そうではなくて、自然に役に入り込んで演技をしてもらいたい。それが私の目指したゴールです。



『リスペクト』© 2021 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved. 


Q:たしかに映画の歌唱シーンには、アレサ、ジェニファー、それぞれの持ち味が生かされていました。


リーズル:リハーサルを重ね、ある程度人物像ができあがった段階で、ジェニファーがアレサの映像をマネしていたとき、ちょうど両者の魅力がミックスされた“スイートスポット”が現れたのです。その瞬間、私たちは「これだ!」と確信し、歌唱シーンの基本が完成しました。そこからは、アレサをコピーするというジェニファーの意識もなくなり、演技や歌に没頭できたと思っています。




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