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『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』ブラック・ウッドストックと呼ばれた伝説のフェスが伝えるもの

© 2021 20th Century Studios. All rights reserved.

『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』ブラック・ウッドストックと呼ばれた伝説のフェスが伝えるもの

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『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』あらすじ

ウッドストックと同じ1969年の夏、160キロ離れた場所で、もう一つの歴史的フェスティバルが開催されていた。30万人以上が参加したこの夏のコンサートシリーズの名は、“ハーレム・カルチャラル・フェスティバル”。このイベントの模様は撮影されていたが、映像素材はその後約50年も地下室に埋もれたままになっていた。誰の目にも留まることなく――今日この日まで……。


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50年以上封印されていた記録映像



 旧態依然とした価値観に、若者たちが反抗して時代がうねり、カウンターカルチャーが花開いた1969年。音楽の分野でも大きな動きが起こった。特筆すべきは、ドキュメンタリー映画にもなったウッドストックをはじめとするロックフェスが次々と開催されたことだろう。イギリスでは2回目のワイト島音楽祭が、前年をはるかに上回るスケールで増して開催された。ローリング・スーンズは、米オルタモントで大規模なフェスを開き、それは殺人事件を引き起こした惨劇としてドキュメンタリー映画『ギミー・シェルター』(70)に記録された。


 その一方で、映像として記録されたものの、発表されず、開催された事実さえ風化していった不幸なフェスもある。1969年の6月から8月の日曜日に、6回にわたり開催された“ハーレム・カルチュラル・フェスティバル(以下、HCF)”。ニューヨークのハーレムで、フリーコンサート型式で開催されたそれは、ブラックミュージック界のスターが出演。6日間で30万人を動員した。


『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』予告


 50年以上に渡り封印されていた、このコンサートの記録映像が、映画『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』(21 ※以下『サマー・オブ・ソウル』)となって、ついに世に出る。この映画は単なるコンサートフィルムではない。1969年という激動の時代を映し出すドキュメンタリーでもあるのだ。そういう意味では、音楽に詳しくない人でも興味深く見られるはず。そんな本作の魅力を探ってみよう。




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