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『ほんとうのピノッキオ』マッテオ・ガローネ監督 100年以上前の物語でも失わない現代性【Director’s Interview Vol.161】

copyright 2019 ©ARCHIMEDE SRL - LE PACTE SAS

『ほんとうのピノッキオ』マッテオ・ガローネ監督 100年以上前の物語でも失わない現代性【Director’s Interview Vol.161】

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ロベルト・ベニーニはまさにジェペットだった



Q:ジェペットを演じたロベルト・ベニーニは、過去に監督・主演で映画『ピノッキオ』(02)を作るほど、「ピノッキオ」の物語には思い入れを持っている人物だと思いますが、彼とのお仕事はいかがでしたか? 


ガローネ:ロベルト・ベニーニはまさにジェペットです。彼は貧しい農家の出身で、ジェペットと同じように貧困を経験してきており、そして何と、コッローディがピノッキオを執筆した場所から数キロのところで育っているんです。ロベルト以上に、ジェペットの人間性、ジェペットの優しさや陽気さを伝えることのできる俳優は考えられません。これ以上の選択はないと思いましたね。



『ほんとうのピノッキオ』copyright 2019 ©ARCHIMEDE SRL - LE PACTE SAS


Q:これまで影響を受けた映画や映画監督を教えてください。


ガローネ:ジャン・ヴィゴというフランスの監督が大好きでした。彼は若くして亡くなったので、監督作は少ないのですが、代表作は『アタラント号』(34)という作品です。彼の作品にはマジック・リアリズムがありました。リアリズムが幻想的でマジカルなものに変貌していくのです。表現の自由さなど、彼からはとても多くの影響を受けましたね。


イタリアの監督でいうと、ネオレアリズモの素晴らしい監督たち、ロベルト・ロッセリーニ、ヴィットリオ・デ・シーカ、ルキノ・ヴィスコンティ、そしてフェデリコ・フェリーニ。彼らと同じ国に育った私はラッキーですよ。偉大な財産を引き継げるのですから!




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監督・脚本:マッテオ・ガローネ

1968年、伊ローマ生まれ。『Terra di me zzo』(96)で長編デビュー。長編第4作『剥製師』(02・未)でダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の脚本賞、助演女優賞を受賞した。ロベルト・サヴィアーニのベストセラー「死都ゴモラ」を原作とする犯罪映画『ゴモラ』(08)が、初めてカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、グランプリを受賞。さらにヨーロッパ映画賞5部門、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞7部門を独占するなど、ガローネ監督の名を世界中に知らしめた。続く『リアリティー』(12・未)はリアリティー番組に憧れる男

を主人公にした寓話的な作品で、再びカンヌのコンペティション部門でグランプリを受賞している。17世紀のおとぎ話「ペンタメローネ 五日物語」を映画化したファンタジー『五日物語 ー3つの王国と3人の女ー』(15)では、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞7部門を受賞。海辺の町で犬のトリミングサロンを営む男が不穏な事態に陥っていくサスペンス映画『ドッグマン』(18)では、主演男優マルチェロ・フォンテがカンヌの男優賞に輝いた。2020年、クリスチャン・ディオールの秋冬オートクチュール・コレクションに向けて幻想的な短編を制作、そのファンタジーなクリエーションはファッション界をも魅了した。 



取材・文:香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。




『ほんとうのピノッキオ』

11.5(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開!

配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ

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