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『浅草キッド』劇団ひとり監督 憧れ続けたビートたけしと師匠の物語を自らの脚本で映画化【Director’s Interview Vol.168】

『浅草キッド』劇団ひとり監督 憧れ続けたビートたけしと師匠の物語を自らの脚本で映画化【Director’s Interview Vol.168】

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伝説の芸人、深見千三郎のキャラクター



Q:私はテレビのディレクターもやっていて、4年前に「たけし誕生~オイラの師匠と浅草~」という深見師匠とたけしさんのドキュメンタリーを作ったんです。


ひとり:それ、観ましたよ。冒頭、たけしさんのタップダンスで始まるやつですよね。


Q:そうです。その時に色々調べたんですが、深見千三郎さんは謎が多くて、どんな経緯で浅草にやってきたのかもはっきりしない部分があるんです。深見さん像を作るためのリサーチは如何でしたか?


ひとり:深見師匠のことを書いた本(「浅草最終出口―浅草芸人・深見千三郎伝」)を読んだり、あとは井上ひさしさんの本(「浅草フランス座の時間」)なんかをいろいろ読みました。そういった資料で、事実はある程度分かるんですが、結局深見さんの人柄がよくわからないんですよね。映像もほんのちょっとしか残っていませんし、プライベートの人となりは想像するしかない。


だから今回、たけしさんに時間を割いていただいて、とにかく深見師匠の人柄について聞きました。その人柄を表す一番分かりやすいワードは「照れ屋」なんです。とにかく絶対に弟子を褒めない。漫才ブームでたけしさんがすごく売れようが、一度も褒められたことがない、と。たけしさんが深見師匠に会いに行っても「てめえ、何しにきやがった、この野郎!バカヤロー!」「ラーメンでも食うか、バカヤロー!」って感じでね。とにかく照れ屋だったと。たけしさんは「師匠は気持ちと、言っていることが全部逆なんだよ」って仰ってました。その話ですごく人柄が見えてきましたね。



Netflix映画『浅草キッド』12月9日(木)より全世界独占配信


僕は深見師匠とは全然違うタイプだと思うけど、後輩に対して虚勢を張ってしまう所は、ちょっと分かるんですよね。僕も、かわいがっている後輩は、やっぱり素直に褒められないし、素直にお小遣いを渡せない。だから「金やるから、この金をあげたっていう話を美談にして、数年後どっかで話せよ」っていうように、ボケを一つ加えちゃうんですよね。照れ隠しで、そういう風に言ってしまう事はよくあるので、その気持ちは想像できました。





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