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『香川1区』大島新監督 前作を凌ぐ娯楽大作で描いた日本の民主主義の実像【Director’s Interview Vol.171】

『香川1区』大島新監督 前作を凌ぐ娯楽大作で描いた日本の民主主義の実像【Director’s Interview Vol.171】

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自分の映画は2時間以内に



Q:大島監督は、本作が完成した時、2時間半という上映時間の長さを気になさっていました。でも最近では、原一男監督やフレデリック・ワイズマン監督のように、4時間、5時間という作品も珍しくありません。上映時間については、どうお考えですか?


大島:僕はせっかちなので、お客さんの立場として2時間を大幅に越えるのは、かなり嫌なんです。トイレも割と近い方だし。だから4~5時間とか「ほんと勘弁して」っていう感じです。面白ければ、いいとは思いますが、そんなことはめったにないだろうと。でも濱口竜介監督の『ハッピーアワー』(15/上映時間317分)は良かったかな…。


でも、自分の映画は、できれば2時間以内にまとめたいという思いがあったんです。でも今回はそこまで詰めてしまうと、自分たちが現場で見聞きしてきたものと、作品の内容がずれてしまう気がしました。


Q:では編集作業で、かなり苦労されたのではありませんか?


大島:編集作業では、3時間を少しオーバーしたぐらいにまとまった段階から、なかなか切れませんでした。それで初めて宣伝の担当者や劇場支配人に見せて意見を聞き、4、5日寝かせたんです。そこから「よし、頑張ってもう20分切ろう」となりました。



『香川1区』© 2021 NETZGEN


Q:最後に切ったシーンには、どんなものがあったのでしょうか。


大島:そうですね…中村喜四郎さんが夏に一泊二日で小豆島に来たシーンとか。


Q:伝説の中村喜四郎さんですね。(※筆者注:衆院選の選挙区で14戦14勝、「無敗の男」と呼ばれた立憲民主党の中村喜四郎氏。2021年10月の衆院選で初めて敗北した)


大島:それは小川さんにとっても結構大きなことだったんですけど、カットするしかないかと。辻元清美さんも高松に来て、いい話をしてくれたんですけど、切ってしまいましたね。


Q:枝野さんも応援演説で高松に来たはずですが、映画には出てきませんね。


大島:枝野さんも、岡田克也さん、野田さんも来ましたね。平井卓也さんの方では、麻生さん、甘利さんも来ましたが、全部カットしましたね。


Q:そのおかげで、小川淳也さんをサポートする運動員の方たちが、よりクローズアップされた感があります。運動員の方達には、『なぜ君~』を見て参加した方もいたんですか?


大島:いましたね。映画をきっかけに小川さんを知って、応援したいという方が結構来て。本当に熱がすごかったですね。




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