1. CINEMORE(シネモア)
  2. Director‘s Interview
  3. Netflixシリーズ『新聞記者』藤井道人監督が語る時代と世代。カギは“自分事化” 【Director’s Interview Vol.173】
Netflixシリーズ『新聞記者』藤井道人監督が語る時代と世代。カギは“自分事化” 【Director’s Interview Vol.173】

Netflixシリーズ『新聞記者』藤井道人監督が語る時代と世代。カギは“自分事化” 【Director’s Interview Vol.173】

PAGES


キャラ名に込めた、「世界で観られる」意識



Q:個人的に、藤井監督の作品は継続して観ていくと面白さがより増すユニバース的要素があると思います。映画・ドラマの『新聞記者』のリンクもそうですし、『アバランチ』にも東都新聞や内閣情報調査室、「東大出身の元議員秘書」といったワードが登場しますね。


藤井:そうですね。意図的に入れているところもあれば、観客の方に言われて「あ、確かに」と気づくこともあります。


Q:『新聞記者』でいうと、木下亮は『青の帰り道』(18)で横浜流星さんが演じたキャラクターと同じ「リョウ」という名前です。松田杏奈(米倉涼子)は『名もなき一篇・アンナ』(21)とつながるのでしょうか。この作品自体、『名もなき一篇』(14)と題名が重なりますよね。


藤井:「リョウ」に関しては僕の親友の名前で、自分の中でこういう役割を託す、といったものはありました。杏奈に関しては、恥ずかしい話をすると海外で観てもらうのに呼びやすい名前にしたいと思ったからなんです(笑)。日本人にも海外の方にも共通する名前がいいな、と考えるなかで杏奈になりました。


苗字に関しても、豊田・鈴木・松田といった、海外の方にもなじみがあるであろう自動車メーカーから取りました(笑)。仮置きしていたら、どんどん馴染んでいった、という流れです。最初は本田というキャラクターもいましたね(笑)。


Netflixシリーズ「新聞記者」2022年1月13日(木)よりNetflixにて全世界同時独占配信


Q:キャラ名を付ける時点で海外シェアを意識されていたのですね。本編の演出や展開等に関しても、“世界視野”を感じました。いわゆる海外ドラマや洋画を観ている感覚といいますか。


藤井:常に意識していたいのは、やはりそこですね。日本の観客は海外の作品も観ているわけですから、海外の作品と同等、もしくはそれ以上のクオリティで映像を作っていけるかが、僕たちの課題だと思います。


今回だと、盛り込み過ぎると情報が増えるので、なるべく奇をてらわないように心がけましたね。例えば海外ドラマであまり外に向けて作られていない作品を観ると、字幕も追わなきゃいけないし「どこを観ればいいの? 情報が早くて多いな」と感じることが多い。そういったことを極力排除して、構造を理解しやすくしよう、ということはすごく気にしていました。




PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. Director‘s Interview
  3. Netflixシリーズ『新聞記者』藤井道人監督が語る時代と世代。カギは“自分事化” 【Director’s Interview Vol.173】