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『MIRRORLIAR FILMS Season2』柴咲コウ監督 包み込む優しさが社会全体にあるように【Director’s Interview Vol.181】

『MIRRORLIAR FILMS Season2』柴咲コウ監督 包み込む優しさが社会全体にあるように【Director’s Interview Vol.181】

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思いを伝えることの難しさ



Q:映画製作は執筆や作詞作曲などと同じクリエイティブな活動ですが、ひとりだけで作ることは困難です。監督として多くの人を束ねながら、自分の表現したいことを具現化する作業は実際にやってみていかがでしたか?


柴咲:2016年に自分で会社を立ち上げたのですが、監督業は似ているところがあります。会社でも自分の思いはちゃんと言わないと、社員の人たちに伝わらない。ただ、私は自分から訴えかけるのが苦手なタイプでして、控室に役者同士でいるときも、皆さんそれぞれの時間があるだろうから話しかけない方が良いだろうって思っちゃうんです。それをもう何十年もやってきていたので、自分の思いを伝えることの難しさを、改めて痛感しています。


また、これまで何十年間も俳優業をやっている中で、いろんな監督さんを見てきました。右脳的な人もいれば、右脳左脳両方駆使する人、計画性を持って緻密に計算する人もいる。ワンマンな人もいれば、プロデューサーとタッグを組んで相談しながらやる人もいる。いろんな監督を見てきた中で、自分はどういうスタイルなんだろうと、今回はそれを作る実験段階だったのかもしれません。

 


『MIRRORLIAR FILMS Season2』柴咲コウ監督


ただ、何がベストなのか手探りの中でも、このプロジェクトを通して素晴らしいプロデューサーたちと出会うことができました。そのプロデューサーたちが今回の柴咲組をスタッフィングしてくれて、すごく良いチームになれた。図らずも女性スタッフが多くて、これもご縁ですよね。自分自身にはスタッフの人脈はありませんでしたが、このご縁は大切にしていきたい。また何か撮るときはご一緒したいですね。


Q:撮影前の現場ではスタッフ・キャストの皆さんと瞑想をされていたと聞きました。


柴咲:今回の撮影は2日間のみでした。いきなり「はじめまして」で会って、2日撮影して「さよなら」となる中で、どうすれば私が撮りたいものを理解してもらえるか。ああだこうだといろいろ説明するよりも、美術が整ったセットの中で「今これをどう感じますか」と、みんなで目をつぶって感じてもらった方が逆に良いのではと思いました。みんなが同じ空間にいて、無音の中で過ごすことに意味があったんです。




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