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『ウェディング・ハイ』大九明子監督 フレーム内に映る全てを面白くしたい【Director’s Interview Vol.192】

©2022「ウェディング・ハイ」製作委員会

『ウェディング・ハイ』大九明子監督 フレーム内に映る全てを面白くしたい【Director’s Interview Vol.192】

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喫煙所をカッコよく撮る



Q:大九監督の作品は、ある一点を境に加速度的に面白くなる感じがしています。『勝手にふるえてろ』の時は、ヨシカ(松岡茉優)がイチ(北村匠海)のマンションに行くあたりから、本作では男4人が並んでタバコを吸うシーンあたりから、一気に持っていかれる感じがします。


大九:今言われて気づいたのは、その辺は私がすごく“ノッっている”シーンということですね(笑)。今回は最初に脚本を読んだ時から、喫煙所をめちゃめちゃカッコよく撮りたいと思ったんです。「ゴージャスに!」を合言葉に、結婚式場のロケハンで喫煙所を探し回りました。「お!ここの喫煙所ゴージャスじゃん!」って、みんなでゲラゲラ笑ってましたね(笑)。


バカリズムさんが言うには、「タバコを吸う者からしたら、喫煙所なんてだいたいゴミ溜めみたいなところで、水撒きのホースが置いてあったりする変な場所なんです」とのことなのですが、そこが私にはものすごくクリーンヒットして、逆にゴージャスな画が浮かんでしまった。バカリズムさんが想定していなかったことから更に広がって、映画的な豊かさを紡いでいけるかもしれない。そのズレがすごく楽しかったです。



『ウェディング・ハイ』©2022「ウェディング・ハイ」製作委員会


Q:喫煙所が重要なポイントだったとは意外です。


大九:男性ばかり出て来る映画をやる機会がなかなかなくて…、やる準備も覚悟もとっくに出来ていて、私の中ではかなり盛り上がっているんですけどね(笑)。それで、喫煙所のシーンを読んだときに、それがやれるチャンスだと思ったんです。


また今回は、結婚礼賛映画には絶対したくなかったので、披露宴という一日をどうアプローチするか色々考えていました。ロケハンで行った式場はどれも素晴らしくて、一日だけのために存在する夢の城だった。そんなところにもすごくシビれたんです。その中にある喫煙所という場所をカッコ良く撮れたら、結婚礼賛ではなく人間が入り交じる群像劇として、映画が豊かになるのではないかと。


Q:ロケハンでは色んな結婚式場を回られたのですね。


大九:どの式場も披露宴という一日のために全力で準備なさっていて、そのプロフェッショナルぶりが素晴らしかったです。だから篠原涼子さん演じる中越のキャラクターは真に迫ったところがあって、みなさん本当にあのくらい頑張っていらっしゃるんです。そういうところも素敵だなと思いました。


また、私にとってロケハンはすごく重要で、ロケ場所に行くと登場人物の行動が浮かび上がってくる。作品の内容に関わらずロケハンで決まっていく要素も多いですね。





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