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『ガンパウダー・ミルクシェイク』ナヴォット・パプシャド監督 ぼくのヒーローは、バスター・キートンとジャッキー・チェン【Director’s Interview Vol.193】
ミシェル・ヨーの伝説
Q:レジェンド、ミシェル・ヨーのガチンコアクションが観られて嬉しかったです。実際の現場ではいかがでしたか?
パプシャド:そう!彼女はまさにレジェンドですよね。『ポリス・ストーリー3』(92)で列車にバイクで飛び乗った、あのミシェル・ヨーですよ!現場では監督の立場を忘れて彼女のアクションに見入っていました。単なるファンになってましたね(笑)。ミシェルと仕事が出来たなんて未だに信じられません。
ミシェルの出演が正式に決まった後は、彼女が関わるアクションシーンは全て見直しました。鎖を使ったチェーンアクションを追加したり、バルコニーから飛び降りるシーンを入れてみたり、彼女と絡みの多いアンジェラやカーラのアクションも変わっていきましたね。ミシェルへの観客の期待値は高いので、アクションのレベルをどんどん上げていった感じです。もちろん彼女はそれにバッチリ答えてくれました。
『ガンパウダー・ミルクシェイク』© 2021 Studiocanal SAS All Rights Reserved.
また、ミシェルの偉大さを感じる出来事もありました。撮影前、我々のミーティングルームにミシェルが挨拶に来てくれたのですが、ちょうどその時は一番メインのアクションシーンについてスタッフたちと悩んでいた最中でした。みんなで、ああでもないこうでもないと3週間くらい延々作業していたのですが、その場で彼女がアドバイスをくれて実際にアクションを演じてくれたんです。我々が3週間悩んでいたことを、彼女はあっという間に理解して2分足らずで答えを出してしまった。「あぁ、これがミシェル・ヨーなんだ…」と、みんなで感動しました。彼女のアクションが素晴らしいのはもちろんですが、人柄も本当に素敵な方でしたよ。