2021.03.24
『キル・ビル Vol.1』あらすじ
かつて、裏社会で史上最強の女エージェントと呼ばれた、ザ・ブライド。彼女は自分の結婚式の最中に、エージェント時代のボス“ビル”の襲撃を受け、愛する夫と身ごもった子どもを殺された上、自らも凄惨なリンチに遭う。昏睡状態から目覚めた彼女は、ビルへの復讐を決意する……。
Index
- レンタルビデオ屋が映画学校
- 唯一無二のカンフー・スター、ジミー・ウォング
- 『キング・ボクサー/大逆転』と『燃えよ!カンフー』
- 神様・ブルース・リー
- リュー・チャーフィーとウータン・クラン
- 多くのカンフー映画のオマージュたち
- タランティーノを惹きつけた、カンフー映画の魅力
レンタルビデオ屋が映画学校
クエンティン・タランティーノは、大学の映画学科や映画専門学校などには行かず、カリフォルニアのレンタル・ビデオ店「マンハッタン・ビーチ・ビデオ・アーカイブ」の店員として、その特権を活かし浴びるように大量の映画を観ていた。そこで、映画を学び、脚本を書き、遂には映画監督になり、カンヌやアカデミー賞の常連となった。
特に彼の血肉となったのは、いわゆる「B級」と区分される映画群だ。ホラー、アクション、犯罪もの、戦争もの、ウェスタン、カンフーや日本の怪獣映画にポルノまで。彼の偏愛するジャンルは枚挙に暇がない。
『キル・ビル Vol.1』予告
そんなタランティーノが、自分の好きな作品をパッチワークのようにつなぎ合わせて作ったのが、『キル・ビル Vol.1』(03)『キル・ビル Vol.2』(04)の連作で、特に1作目は「元ネタ」が数多く存在する。その中から今回は、カンフー映画を中心に取り上げていこうと思う。