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新生BABEL LABELに集うプロデューサーたち、世界標準の企画開発へ【Director’s Interview Vol.215】

新生BABEL LABELに集うプロデューサーたち、世界標準の企画開発へ【Director’s Interview Vol.215】

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国の助成金含め、企画開発に資金が提供されない現状



Q:「IPの保有」も、柱のひとつになっていくのでしょうか。


五箇:IPの保有自体は様々な会社が行っていることなので、特段目新しいものではないのですが、これまではドラマや映画を作るうえで出版社をはじめ様々な会社が間に入っていました。それを一本化できたら大きいんじゃないかなと。今の流れ的を見ていてもにも、みんなが一番“川上”を取りに行こうとしている意識をすごく感じますし。だからクリエイティブありきで、権利ビジネスをしていくというアプローチのもと、BABEL LABELが多角的な展開を目指すのは非常に時流に乗っているのではないかと思います。


やっぱり、企画開発が一番お金も時間もがかかるんですよ。でも、そこにお金を用意していることって今まではほぼなかった。前職時代もドラマの企画を開発するときには、上司に交渉して何とか数十万確保できるとかで。他社さんも同じような感じだと思いますが。でも、これだけプラットフォームが出てきて(原作の)取り合いになっている状況になると「だったらもう自分たちで作っていかないと」と危機感を抱いている人は多いと思うんです。そこでようやく企画開発に日の目が当たりだし、サイバーエージェントもお金を出してやっていこう!となっているのは非常に健全だし、本当に嬉しいですね。そうやってBABEL LABELの才能から生まれてきたアイデアを形にしていく役割を、我々は担っていくと思っています。




Q:「企画開発にお金がかかる」という部分、もう少し詳しく伺いたいです。


五箇:僕は自分で企画書を作ると同時に企画書が持ち込まれる側でもあったんですが、やっぱり企画書の一番上に「俳優の〇〇が出演内諾済み」と書いてあると格段に通りやすくなるんです。仮に「有名俳優と内約できてます」という企画書と、それより遥かに面白そうなんだけど俳優との内約が無い企画書があったとすると、一概には言えませんが前者が選択されることが多い。スターシステムはとても強いんですよね。


となると、そこをクリアするために我々は綿密に練られた企画書と脚本ないしプロットを持って芸能事務所に赴く必要がある。バリューの高い俳優さんであればある程、事務所にも様々な企画書が持ち込まれているわけですから「おいそれとうちの看板は出せない」となるわけです。そこを突破するために、何回も企画会議をしてより良い企画書や脚本を練っていく。まあ、滅茶苦茶手間暇がかかるわけです。


人気原作だったら出版社とオプション契約(期間限定で対価を支払い原作をホールドし企画開発させてもらう契約)を結ぶ場合もあるので、諸経費をプロダクションが払っていたり。時間と労力の積み重ねが色々なところで行われていて、その対価としてお金を払ってくれるかといったら到底適正な額に達していないのが現状です。


前田:大手だと、原作権を押さえることが仕事の人がいますからね。そこの財力や集中力と戦っていかなければならないのは、結構厳しいものがあります。


文化庁の助成金も、作品が完成してからGOサインが出るので、「助成金が使えるのは宣伝費なんだ……」と思うわけです。画に反映させるために助成金を使えないところがすごくもどかしい。本来、「この企画と人と脚本」で出して通るのが一番健全だと思います。映画祭などは企画コンペを行っているわけですしね。「どうなるかわからないものに金は出せない」というのもわかりますが、それだと新しい芽は中々出てこれない。





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