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新生BABEL LABELに集うプロデューサーたち、世界標準の企画開発へ【Director’s Interview Vol.215】

新生BABEL LABELに集うプロデューサーたち、世界標準の企画開発へ【Director’s Interview Vol.215】

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A24で撮りたいなら、撮ろう



Q:競争に勝つハードルとして、コンテンツ過多の問題もありますよね。視聴者の時間の奪い合いが加速していますし、正直、業界の人間であっても追いきれていないのではないでしょうか。


前田:NetflixやAmazon等に加えてディズニープラスやApple TV+も日本でのドラマ・映画制作を始めましたしね。いち利用者としても悩ましいし、じゃあそこにどう打って出るかというと“個性”なんですよね。面白い作品を2本3本と連続させていかないと説得力がないから、そこは我々もプレッシャーを感じつつ、面白さも同時に感じています。


最近よく思うのは、この仕事を始めた頃、なりふり構わず挑戦してた頃の行動力のことです。私が最初に海外とやりとりしていたときはメールじゃなくFAXでしたが、それでロバート・デ・ニーロやハリソン・フォード、ダスティン・ホフマンのエージェントに出演依頼のアタックをしていました。でもちゃんと返事が来るんです。ハリソンの女性エージェントなんて、どこの誰とも知らない私に対してもすごく丁寧に答えてくれました。「その時期はドラマの映画化があって空いていないんだけど、あなたのプロジェクトの成功も心から祈ってる」って。「差し支えなければそのタイトルをお聞きしても……」と言って返ってきた答えが『逃亡者』だったんですが(笑)。その時対応してくださった方は、のちに雑誌の「ハリウッドを支えるウーマン・パワー特集」でも取り上げられていましたね。




脱線しちゃいましたが、あの頃って若さもあって、怖いもの知らずで相手がレジェンド俳優でも飛び込んでいけた。それが、経験や年齢を重ねていくと妙に分別が出てきて「これでオファーしても無理だな」みたいになってしまっているところもあるんだけど、BABEL LABELに参加して「それは捨てよう」と思って。もしものときは五箇さんや瀬崎さんのせいにすればいいって……(笑)。


五箇・瀬崎:(笑)。


前田:というのは冗談ですが、ちょっとでも悩んだときに「これってどう思います?」と気軽に聞けるような距離に仲間がいるのは、すごく助かります。気持ちも安定するし、冷静にもなれる。なかなかこういう形は今までなかったし、自分が考え付かなかったアイデアももらえて視野が広がった感覚もあります。参加してよかったなと感じますね。


藤井さんって寝言みたいに「A24が…A24が……」って言うじゃないですか(笑)。「だったら撮りましょうよ。A24まで行きましょう!」と意気込んでいけるし、BABEL LABELの中には国際派になれるなと感じる人材もいる。Appleや釜山国際映画祭のコンペにも申請していますし、クリエイティブでグローバルなシンクタンクチームになれるといいなと思います。





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