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『シング・フォー・ミー、ライル』音楽演出:市之瀬洋一 オリジナルに負けない吹き替えを【Director’s Interview Vol.296】

『シング・フォー・ミー、ライル』音楽演出:市之瀬洋一 オリジナルに負けない吹き替えを【Director’s Interview Vol.296】

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喋るように歌うこと



Q:洋画は字幕で見るというこだわりの方も、ミュージカルにおける吹替版は見てしまうこともあります。吹替版の魅力を教えてください。


市之瀬:字を読めない小さな子供たちでも分かるようにと吹替版は生まれたもの。大人に関してはどうなんでしょうね。原語版は自分との距離があるように感じますが、日本語版は近くなる感じがします。僕は自分が携わってない作品も吹替版で観ます。その方が画面の隅々まで見られるし何より楽です。吹替版は分かりやすいことが魅力の一つでしょうか。



『シング・フォー・ミー、ライル』© 2022 CTMG. All Rights Reserved.


Q:歌手と役者では歌の違いは感じられますか。


市之瀬:あると思います。役者は割と簡単に演技を入れて歌えますが、歌手には難しい傾向にあるようです。こういう吹替版の場合、画を観ながら聞くとなぜか歌手の歌は“棒歌い”に聞こえてしまう時があります。やはり演技を入れた役者の歌の方が合うようです。


ただ、歌によっては、誰かの気持ちになって歌うものもあるので、一概に歌手が向いていないとも言えません。僕は昔クラッシック音楽をやっていたのですが、その頃は、例えばシューベルトの「冬の旅」や「水車小屋の娘」は語り部的に客観的を持って歌った方がいいのか、あるいは曲の中の主役の気持ちになって歌った方がいいのか、そういうことも悩みながら歌っていました。





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