前作『THE WITCH/魔⼥』(18)の創造者であるパク・フンジョン監督が構想を描き、”魔⼥ユニバース”としての幕開けを告げるのが、本作『THE WITCH/魔⼥ ̶増殖̶』。前作の世界観を共有しながら、名もなき少⼥が新たな主⼈公として登場し、最先端のVFXで⾶躍的にスケールアップしたスペクタクルに圧倒されるサイキック・アクション⼤作となっている。主⼈公を演じるのは1,400⼈以上が参加するオーディションを勝ち抜き、映画初主演を飾るシン・シア。
今回は来日したシン・シアと、次世代のアクション映画を牽引する阪元裕吾監督の対談が実現!阪元監督が手掛けた『ベイビーわるきゅーれ』(21)は、なんと『THE WITCH/魔⼥』からも影響を受けているとのこと。アクション映画の最前線にいる二人のスペシャル対談!お楽しみください。
『THE WITCH/魔女 ー増殖ー』あらすじ
秘密研究所アークが何者かに襲撃され、殺戮の中でひとりの少女(シン・シア)が生き残る。その少女は、遺伝子操作によって超人的なアサシンを養成する〈魔女プロジェクト〉の実験体だった。初めて研究所の外に出た少女は、ある姉弟と出会うことで、徐々に人間らしい感情に目覚めていく。しかし少女の秘められた力を危険視した〈魔女プロジェクト〉のペク総括は、彼女を抹殺しようとする。さらにアークを襲撃した謎の超能力者集団や、姉弟を狙う犯罪組織も加わり、哀しき宿命を背負った少女との壮絶なバトルの火ぶたが切って落とされる!
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監督からのオーダー“表情を消すこと”
Q:阪元監督は『THE WITCH/魔女 ー増殖ー』をご覧になっていかがでしたか。
阪元:すごく面白かったです。前作と違って今回は群像劇になっていて、いろんなキャラクターが入り混じる“純”バトル映画のようでした。早く続きが観たいですね。前作もそうでしたが、血みどろヤクザバイオレンスとドラえもんみたいな日常アニメのようなものがガッチャンコしているところがユニークですよね。スーパーで試食品を食べるシーンなど、すごく好きでした。
シン・シア:食べるシーンを気に入ってくれて嬉しいです!当時はダイエット中だったのですが、撮影だから堂々と食べられる。もう本能のままに食べていました(笑)。
阪元:そうなんですね(笑)。シン・シアさん演じる少女が、屋根の上で姉弟の弟と語り合うシーンも微笑ましかったです。ああいうシーンも普通のアクション映画ではなかなか見ませんが、キャラクターとしてすごく親近感が湧くし、少女の中でその弟の存在が大きくなっていることが分かりますよね。少女は感情があまり出せないキャラクターでしたが、そこについて監督とは何か話されましたか?
『THE WITCH/魔女 ー増殖ー』©2022 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & GOLDMOON FILM.All Rights Reserved.
シン・シア:監督からは、最大限表情を消してくれと言われました。クライマックスシーンでは感情が揺さぶられて涙が出そうになったのですが、そのシーンでさえも、最大限表情は抑えてくれと言われました。とても難しかったですね。
阪元:自分の映画でも、殺し屋役の女優さんが泣きそうになったシーンがあったのですが、そのときは「泣かないで」とお願いしました。僕も同じことを言ってますね(笑)。『THE WITCH/魔女 ー増殖ー』では、少女が研究所の外に初めて出て、牧場の牛や犬を見るシーンがありましたが、感情は抑制されつつも伝わってくるものがありました。そういったシーンでも“感情を消す”という演技プランだったのでしょうか?
シン・シア:そのシーンに関しては少しだけ本能に任せてくれました。何かを見て不思議そうにしたり、美味しいものを食べたりすることは本能に導かれる行為なので、そこでは抑えろとは言われませんでした。
『THE WITCH/魔女 ー増殖ー』©2022 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & GOLDMOON FILM.All Rights Reserved.
阪元:ロケーションが自然の中でしたが、役者として刺激される感じはありましたか?
シン・シア:仰るとおり、自然の中にいると感情が刺激されましたね。広い自然の中に一人で立っていると、自ずと寂しさや孤独を感じましたし、森の中を歩くシーンなどでも自然に助けられた部分は大きかったですね。
阪元:雪の中を裸足で歩くシーンがすごく印象的でした。あの雪はたまたま降ったんですか?
シン・シア:そうなんです。雪のおかげでとても雰囲気が良いシーンになりました。撮影時はとても寒かったのですが、映画を観た後で雪に感謝しました(笑)。