目標は海外での映画製作
Q:舞台の企画・脚本・出演、 ハリウッド映画への出演、そして映画のプロデュースと、その活動は多岐に渡りますが、今後はどのような活動をされていく予定ですか。
岩瀬:「日穏-bion-(びおん)」という舞台は今後も継続していきたいと思っていますが、今まで「日穏-bion-」で作ってきた舞台の中にも映画化したい作品がいくつかあるんです。その中から一つまた映画にしたいと思っています。この作品が終わったらすぐに取りかかりたいですね。あとは海外で映画を作りたいです。出来ればハリウッドで、監督も向こうの人でやりたい。まずは資金集めに近々アメリカに行こうと思っています。
Q:海外で撮りたい理由は何でしょうか。
岩瀬:映画やドラマシリーズなど、これまで6本ほど海外作品に出演してきましたが、日本とは作り方が全然違うし、忖度みたいなものも一切ない。いい作品であれば、それを実現させるエネルギーみたいなものがあって、とてもやりやすい環境でした。役者として無名でもオーディションで採用してもらえるし、今は自分たちの権利のために俳優組合がストライキをしていますが、今の日本では絶対出来ないことですよね。
日本で映画を作ろうと思ったら、有名無名みたいなものを問われたり、原作がないと駄目と言われたり、そういう経験がたくさんありました。だったら思いきって海外に挑戦してみようかと(笑)。まあ出来ないことはないかと思うようになっちゃったんです。もちろん大変だとは思いますが、やっぱり目標は大きくということで(笑)。
Q:では最後に、好きな映画を教えてください。
岩瀬:栃木に住んでいた小学生の頃、先生から虐待のようなことをされて病んでいた時期があったんです。その頃は宇都宮に名画座があって、昔の白黒映画が2本立てで上映されていたので、いつもそこに行ってよく観ていました。当時流行っていた映画も色々観ましたが、昔の映画の方が好きでその世界に浸っていました。昔はCGなどに頼らない分人間ドラマがしっかり描かれていたし、当時の俳優さんたちは皆さん素敵だった。『街の灯』(31)や『ローマの休日』(53)、『明日に向かって撃て!』(69)や『スティング』(73)なんかも好きでしたね。もう少し最近の作品では、クリント・イーストウッドの『グラン・トリノ』や、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(97)のロビン・ウィリアムズも大好きです。
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脚本・プロデューサー・出演:岩瀬顕子
栃木県宇都宮市出身(とちぎ未来大使)。バージニア州立ウィリアム&メアリー大学国際関係学部卒業 自ら企画・脚本・出演する劇団「日穏-bion-(びおん)」を2008年に旗揚げ。近年は海外作品にも出演しており、映画「アースクエイクバード」(リドリー・スコット製作総指揮/ワッシュ・ウェストモアランド監督)では、アカデミー賞女優アリシア・ヴィキャンデルの友人役、2021年に公開した映画「MINAMATA」(アンドリュー・レビタス監督)では胎児性水俣病患者の母親役を演じ、ベルリン国際映画祭で主演のジョニー・デップ、真田広之らと共にレッドカーペットを歩く。2021年1月に製作、脚本、主演した中編映画「月の海」(萩生田宏治監督)はプラハ国際映画祭での最優秀作品賞をはじめ、国内外の映画祭で受賞。脚本家としては日穏作品の他、テレビ朝日「警視庁捜査一課9係」、「特捜9」、NHKBSプレミアムドラマ「お父さんと私のシベリア抑留」、劇団青年座公演「シェアの法則」等を執筆。映画「シェアの法則」では、脚本、出演の他、プロデュースと主題歌の作詞も手掛けている。
取材・文:香田史生
CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。
撮影:青木一成
『シェアの法則』
10月14日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開中
配給:GACHINKO Film
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