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『ミッキー17』ポン・ジュノ監督 これは私にとって初の青春映画なんです【Director’s Interview Vol.482】
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ディープに掘り下げたクリーチャームービー
Q:あなたらしいと言えば、クリーチャーが登場するところもそうですよね。『グエムル -漢江の怪物-』のモンスター、『オクジャ/okja』の食用動物。本作でも惑星の先住民であるクリーパーと呼ばれるクリーチャーが登場します。
ポン:(日本語で)カイジュウは本当に難しい(笑)。でも、みんなモンスター大好きですよね? 私の場合は、彼らが喜びを与えてくれるからです。自分とは異なる外見をしているクリーチャーは最初、気持ち悪かったり怖かったりする。そういうクリーチャーが登場する物語の場合の多くでは、外面を剥ぎとり、その内側にあるものが明らかになる瞬間が用意されている。そこで私たちが出会うのは、自分たち以上に人間っぽかったり、意外なほど自分たちと似ていたりする彼らの本当の姿です。私は、その瞬間が大好きなんです(笑)。そう、この映画は私にとって3番目のクリーチャー映画だと言っていいでしょうね。『グエムル -漢江の怪物-』や『オクジャ/okja』よりもさらにディープに掘り下げたクリーチャー・ムービーを作りたいと言う思いは確かにありましたから。
Q:クリーパーのデザインでこだわったのはどういう点ですか? 原作ではムカデのようだと表現されていて、それに準じているようにも見えますが。
ポン:クリーパーをデザインするにあたり、私が最初にデザイナーに提案したのは「クロワッサンみたいなフォルム」でした。動物についてのドキュメンタリーを見ると、彼らがいかに直感に従うのかがわかりますよね? それはときに、彼らは人間より卓越した存在なのではないかと思わせます。クリーパーにはそういう要素を持ち込みたかった。その結果が今回のデザインになったんです。
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Q:あなたが大きな魅力を感じたミッキー役にロバート・パティンソンを選んだ理由を教えてください。
ポン:ロブ(ロバート・パティンソン)は『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(22)で見事にバットマン/ブルース・ウェインを演じていたでしょ。その演技には素晴らしいエネルギーを感じました。彼の瞳がそのエネルギーを伝えていました。でも、それだけで彼を選んだのではありません。パワーと同時に臆病さや不安、脆さ等も垣間見せていました。その組み合わせがミッキーにぴったりだと思ったんです。
彼はこの映画でミッキー17とミッキー18の二役を演じなければいけなかった。同じ外見なのに、まるで違う二人をです。二人がぶつかり合うシーンでは、同じフレームに彼らが存在していますからね!そういう演じ分けもロブなら大丈夫だと思いましたし、実際にそうでした。
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監督・脚本:ポン・ジュノ
取材・文:わたなべまき
映画ライター。『TVブロス』『SFマガジン』『アニメージュ』等に執筆中。押井守監督の日本人論「押井守のニッポン人って誰だ!?」では編集と執筆を担当した。
『ミッキー17』公開中
配給:ワーナー・ブラザース映画
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