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『無名の人生』鈴木竜也監督 脚本を書かずに制作を開始、たった一人の長編アニメ制作【Director’s Interview Vol.489】

『無名の人生』鈴木竜也監督 脚本を書かずに制作を開始、たった一人の長編アニメ制作【Director’s Interview Vol.489】

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脚本を書かずに制作を開始



Q:脚本を書かずに制作を開始されたそうですが、制作開始の時点では何が決まっていたのでしょうか。


鈴木:名前をテーマにした人生の物語で『無名の人生』というタイトルだけが決まっていました。そこから、『わたしは最悪。』(21)や『呪怨』(04)のようにチャプター構成の映画にしようと考え、チャプターを人の名前にしたら面白そうだなと。しかもそれが主人公は一人で、名前だけが変わっていくのが良い。そういったフレームや、アイドルが出てくることだけを決めて、具体的な内容は走り出してから楽しもうと思っていました。基本的に飽きっぽいし面倒くさがり屋なので、用意したものをなぞって長編を作るのは絶対に無理だろうなと。それで「とりあえずやってみよう!」と謎の自信だけで始めました(笑)。


Q:クラウドファンディングを始めた時は、映画の内容はどのように告知していたのでしょうか。


鈴木:そこは今考えるとすごく申し訳ないのですが、「『スカーフェイス』(83)や『市民ケーン』(41)、そして「織田信長」みたいな一代記を作ります! でも詳細はまだ教えません」みたいな書き方でした。もう決まっているかのようにカマシつつも、実は何も決まってなかった(苦笑)。ただ、今回の物語が、転がり落ちつつも成り上がっていく感じになったのは、最初に決めていなかったからこそ。最初に決めなくて良かったですね(笑)。



『無名の人生』© 鈴木竜也


Q:一人で1年半かけて制作されたそうですが、1年半はかなり早い気もしますが、どのくらいのペースで作業は進んだのでしょうか。


鈴木:確かに1年半は早いですね。面倒くさがり屋なので無駄なことはしたくなかった。やるべきことだけやったら1年半で出来たので、めっちゃ省エネだったと思います。脚本や画コンテの作業を根こそぎカットしたので、そこで1年くらいは短縮できているのかもしれません。


よく構想◯年とか言いますが、考えていた期間なんて知らねぇよ!って気持ちもあるので(笑)、とにかく自分はやりたいときにやろうと。


Q:作業中に作ったものを見返して修正するようなことはありましたか。


鈴木:なるべく客観的に見るためにも、あまり振り返りすぎないようにしていました。とにかく描いたら編集しての繰り返しだったので、気づいたらその蓄積でほぼ完成していました。最後はそこにラストカットを載せるだけでしたね。




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