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『ランニング・マン』エドガー・ライト監督 同じ原作からの2度目の映画化は特別なチャンス【Director’s Interview Vol.536】

©2025 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

『ランニング・マン』エドガー・ライト監督 同じ原作からの2度目の映画化は特別なチャンス【Director’s Interview Vol.536】

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主人公の体験としてアクションをデザイン



Q:では『バトルランナー』から大きく変更した点は?基本的に原作に近づけたように感じられます。


ライト:今回はベンが逃走する範囲を全世界に広げることにしました。理論上は、どこまでも行けることになります。ただ、そのように原作どおり“最大で最悪の鬼ごっこ”を目指すあまり、製作が過酷になったのも事実。『バトルランナー』がゲームの範囲を(地下の巨大アリーナに)限定したのは、映画製作における現実的な判断だったと、今になって納得できます。


Q:さまざまなシチュエーション、アクションが可能になった、ということですね。


ライト:本作には170ものセットやロケ地が用意されました。そのため撮影する僕らも、主人公のベンの行く先々を巡り続けることになります。アクション面も、旅のスケールも破格でしたし、まるでマラソンランナーのような気分でヘトヘトに疲れ果ててしまいました(笑)。つまり僕の『ランニング・マン』は、ロードムービーとして観ることもできます。


Q:アクションの演出に関して、どんなこだわりを貫きましたか?


ライト:『ショーン・オブ・ザ・デッド』との共通点でも語ったように、主人公ベンのアクションに集中しました。テレビ番組の視聴者と同様に、彼の経験を、彼の目を通して体験できるよう、アクションをデザインしていったのです。多くの映画では、ひとつのシークエンスに、別の場所で起こっていることを挿入したりしますが、それを一切避けました。そうすると余計なカットを使ってベンの動きを誤魔化すことができなくなります。すべて映像で表現しなければならず、難しいチャレンジになりましたね。ベンはスーパーヒーローではありません。無防備な存在として闘い続けるので、彼の動きに集中することで映画を観る人も経験を共有できると信じました。



『ランニング・マン』©2025 Paramount Pictures. All Rights Reserved.


Q:そのベン役をグレン・パウエルに任せたことは、苦闘の共有という点で効果的でした。


ライト:グレンについては、どれだけ褒めても褒め足りません。何事にも野心的で勤勉。撮影現場に、いい意味での緊張感を与えてくれました。しかも彼は、誰に対してもリスペクトを忘れない人物。撮影現場のスタッフすべての名前を記憶していたのです。生まれ持ったユーモアとカリスマ性を発揮しつつ、このベン役では、過去の作品とは違う鋭さや激しさ、怒りも表現してくれました。またいつか一緒に仕事をしたい俳優の一人です。


Q:『バトルランナー』とは大きく設定を変えつつ、同作に主演したアーノルド・シュワルツェネッガーの“特別出演”というサービスが用意されています。


ライト:アーノルドにオマージュを捧げたかったのです。『デモリションマン』(93)が描いた未来の世界では、アメリカ大統領がアーノルド・シュワルツェネッガーでしたよね。そのジョークの続きをやってみたくて、『ランニング・マン』では彼の肖像を100ドル紙幣に載せました。もちろんアーノルドに許可をもらわなくてはならかったのですが、撮影の数日前に彼と連絡がとれ、そのアイデアを気に入ってくれました。100ドルは紙幣の最高額なので説得しやすかったです(笑)。




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