1960年に公開された特撮映画『ガス人間第一号』をベースに、現代日本を舞台に完全新作として蘇る、Netflixシリーズ「ガス人間」。小栗旬、蒼井優をはじめ、広瀬すず、林遣都、UTA、竹野内豊ら豪華キャストが集結し、生放送中の謎の爆死事件から始まる壮絶なクライムスリラーを描き出す。
本作で全8話すべての監督を務めたのは、『岬の兄妹』(19)『さがす』(22)やドラマ「ガンニバル」(22~25)で妥協なき作品を生み出してきた気鋭・片山慎三監督。脚本に『新感染 ファイナル・エクスプレス』(16)のヒットメーカーであるヨン・サンホを迎え、規格外のスケールと緻密な人間ドラマを融合させた。
全話を単独で監督した意図から、ヨン・サンホ氏との共同作業の裏側、大規模ロケーションへのこだわり、そして強烈な個性を放つキャラクターたちの裏設定まで、本作に深く刻印された“片山ワールド”の真髄をたっぷりと語ってもらった。片山監督はいかにして「ガス人間」を作り上げたのか。
Netflixシリーズ「ガス人間」あらすじ
謹慎中だった刑事・岡本賢治(小栗旬)は、前代未聞の殺人事件の捜査に駆り出される。生放送番組に出演中の大学教授の身体が突如として膨張し、爆死したというのだ……。現場に向かった賢治は、かつて愛した女性で事件を目撃した報道記者・甲野京子(蒼井優)と再会。驚く暇もなく、《ガス人間》を名乗る男(UTA)が連続殺人を予告し、世間は大パニックに陥る。犯人逮捕と真相究明に乗り出す賢治と京子だったが、2人をあざ笑うように次々と消されていくターゲットたち。果たしてガス人間とは何者なのか? なぜ特異な能力を手にしたのか? その真の目的とは一体? やがて事態は警察・マスコミ・動画配信者・裏社会の住人たち・時の権力者――各々の思惑が入り乱れる攻防戦へと発展。事件を覆う分厚いガスが晴れたとき、この国を根幹から揺るがす壮絶な真実が姿を現す!
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全8話全てを1人で監督する
Q:全8話全てを監督することを条件に本シリーズをお受けしたそうですね。
片山:それが絶対条件だったわけではないんです。ドラマ「ガンニバル」は複数監督でやりましたが、それを自分1人でやるとどうなるかなと。複数監督はそれぞれの監督の色が出てくる良さもありますが、今回は1人でやって全体の統一感を持たせたほうが良いのではないか。また、話ごとに組まれた予算を「この話に予算をかけて、この話は抑える」といったことも1人だと考えやすい。可能であれば1人でチャレンジしたいと、提案させてもらいました。
Q:自由度が高くなりますが、物理的な作業は増えそうですね。
片山:さすがに全部やるのは大変でしたね。でも終わった時に「あと2話ぐらいはできたかな」と。「アイデアがもう何も出てこない…」といった状況ではなかったですね。単純に「休みが欲しい」とは途中で思いましたが(笑)、それも時間が経てばあまり気にならなくなりました。

Netflixシリーズ「ガス人間」
Q:ヨン・サンホさんと脚本合宿をされたそうですが、作業はいかがでしたか。
片山:ヨン・サンホさんはお忙しい方なので、2日間という短い時間でしたが、1日14時間ぐらい打合せをして脚本の細かいところまで話せました。この2日間でしっかり詰めたことによって、その後は割と自由にやらせてもらえました。日本で撮影する上で変えなければいけないことや、予算的な都合で変える必要があるところなど、全部こちらで引き取って手を入れることができました。韓国のルール的には脚本に手を入れるのはタブーなところがあるのですが、こちらで手を入れたところを確認してもらうという、信頼関係は築けていました。
Q:予算的な都合など制約があったとは思えないほど、すごくリッチな画になってました。
片山:そこは考え方ですよね。制限があるからこそ思いつく良いアイデアもある。変更したのは特に終盤、第8話の脚本に対してでした。