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『ゾンビランド:ダブルタップ』10年経っても「変わらない」安心感――幸せがあふれる99分の“再会”

『ゾンビランド:ダブルタップ』10年経っても「変わらない」安心感――幸せがあふれる99分の“再会”

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全員が童心に返って遊んでいる微笑ましい続編



 2019年は、図らずも久方ぶりの「続編」が多く公開された。第1作の40年後を描く『ハロウィン』、9年の月日が経った『トイ・ストーリー4』、『シャイニング』(80)の約40年ぶりの続編『ドクター・スリープ』、『ターミネーター2』(91)の“その後”を描く「正統な」続編『ターミネーター:ニュー・フェイト』……。


 どの作品も空白の年月の分だけ気合が入った作品に仕上がっているが、10年ぶりの新作にもかかわらず、「一切変わらない」映画がある。それが、『ゾンビランド:ダブルタップ』だ。


 『ゾンビランド』(09)は、製作費の4倍以上となる世界興行収入1億ドル超えの大ヒットを記録しつつも、そんな仰々しさをまるで感じさせない気安さたっぷりの爽快作だった。その精神を正しく受け継いだ『ゾンビランド:ダブルタップ』は、押せ押せの気概や気合の代わりに、ただただあの頃と同じく「楽しく、笑えて、面白い」映画を“再現”することに全神経を注いでいる。前作を愛するファンにとって、ありったけの歓待で迎えたくなる1本だ。



 続編の企画自体は以前から動いていたが、なかなか着地せず結果的に10年経ってしまった映画ではある。とはいえ、その間にオリジナルキャストやスタッフの熱が冷めてしまったわけでも、無為に時間を過ごしていたわけでもない。ジェシー・アイゼンバーグは『ソーシャル・ネットワーク』(10)、ウディ・ハレルソンは『スリー・ビルボード』(17)、エマ・ストーンは『ラ・ラ・ランド』(16)、アビゲイル・ブレスリンは『8月の家族たち』(13)と、それぞれが俳優として着実に経験値を積み、なんと全員がオスカー候補入りを果たして帰ってきた。エマに至ってはアカデミー賞主演女優賞をきっちり獲って、愛すべき“ゾンビ社会(ランド)”にカムバック。


 キャスト陣だけではなく、監督のルーベン・フライシャーは『ヴェノム』(18)、脚本のレット・リース&ポール・ワーニックは『デッドプール』(16)を大ヒットに導いた。10年前は気鋭のクリエイターだった面々が、大幅に進化して戻ってくる。今や、このチームが再結成されること自体がミラクルに等しい。同窓会のつもりが、映画界を動かす一大イベントになってしまったのだ。




 ちなみに、フライシャー監督は『ゾンビランド』のキャストがお気に入りで、『ピザボーイ 史上最凶のご注文』(11)ではジェシー、『L.A. ギャング ストーリー』(13)ではエマ、『ヴェノム』ではウディと、『ゾンビランド』以降の監督作全てで誰かしらと組んでいる。これを見ても、彼にとって『ゾンビランド』がどれだけ大切な映画だったかがわかるだろう。


 しかし『ゾンビランド:ダブルタップ』には、先ほども述べた通り「感動の再会!」感はまるでない。物語の設定的にも10年後ではあるが、ノリもテンポもトーンも、細かな演出に至るまですべてが「あのまま」。この地続き感に、スクリーンを前にしたファンは笑ってしまうに違いない。これだけのキャリアを積みながら、全員が童心に返って遊んでいるからだ。



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