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『ザ・ロック』マイケル・ベイ×クエンティン・タランティーノ!?テイストの全く違う二人がまさかの融合!

(c)Photofest / Getty Images

『ザ・ロック』マイケル・ベイ×クエンティン・タランティーノ!?テイストの全く違う二人がまさかの融合!

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脚本が完成するまでの舞台裏とは?



 実は当初、シュワルツェネッガーにもこの映画の主演オファーが舞い込んだと言われるが、その時、彼に手渡されたのは80ページほどの未完成の脚本で、しかも一部は手書きやメモ書きだった(それを理由にシュワちゃんは辞退したようだが、その時の決断を未だに後悔しているという)。この逸話からも『ザ・ロック』の脚本執筆がてんやわんや状態だったことがうかがえる。


 マイケル・ベイ監督作はとにかく数多くの脚本家が参加することで知られている。このことがまるで突貫工事のようだと揶揄されることもあるが、しかし『ザ・ロック』に限って言えば、これは大人数によってもたらされた多種多様な要素が、奇跡的なまでの融合を遂げて昇華された稀有な例と言っていいだろう。一人の頭の中では到底なし得ない振れ幅とストーリー展開、専門性、キャラクター造形が機能し、この映画の面白さを劇的なまでに高めているのは否定しようがない。その執筆の舞台裏はどうなっていたのだろうか。


 まず本作にはデヴィッド・ワイスバーグとダグラス・クックという、ストーリー考案と初稿執筆を担ったチームの存在があった。豪腕プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーはここから大幅な味付け作業に取り掛かっていく。まずはマーク・ロスナを投入して、登場人物の肉付けを行った。とりわけ悪役(エド・ハリス)の心情を描き込んで観客側にも共感可能な要素を引き出していった。



『ザ・ロック』(c)Photofest / Getty Images


 ここからは「ノークレジット」の枠。つまりエンドクレジットには載っていない脚本家たちの登場だ。ジョナサン・ヘンスリーは、ミサイルや毒ガスに関する知識やその他の様々なアイディアを投入して輝きを加えていった。ショーン・コネリーも様々なアイディアを自ら投げかけ、特に映画の鍵を握る「元英国諜報部員」「ケネディのテープ」という設定は彼自身の発案だったというから驚きだ。その上、コネリーの台詞に関しては英国出身の脚本家らが本人の意見を聞きながら修正を加えていった。さらに今や『ソーシャル・ネットワーク』脚本などで映画界最高の脚本家とも言われるアーロン・ソーキンも、ニコラス・ケイジとエド・ハリスの台詞に味付けを加えて深みを加えていった。



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