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『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』のヒットは必然?トレンド×普遍性を両立させた周到なアイデア作

(c)2017 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』のヒットは必然?トレンド×普遍性を両立させた周到なアイデア作

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『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』あらすじ

学校の地下室で居残りをさせられていた、気弱なゲームオタクのスペンサー、頭が悪いアメフト部員のフリッジ、自撮り大好きうぬぼれ美人のベサニー、シャイなガリ勉のマーサの4人。彼らは「ジュマンジ」という名前のソフトが入った古いゲーム機を偶然発見する。プレイするキャラクターを選択した途端、4人は現実世界の自分とは性格も体格も性別までも違うキャラクターとなってゲームの中の世界に入り込んでしまう。周りはジャングル、猛獣と敵だらけ。各自のライフはたったの3つ、クリアできなければ、永遠にゲームの中に閉じ込められる。果たして彼らは、生きて現実世界に帰ることができるのか!?


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ネガティブな声を覆して驚異的な大ヒット



 まさかここまで売れるとは……。


 2017年、最大のサプライズの1つだったといっていいだろう。『ジュマンジ』(95)の20年後を描く新作であり、リブート的要素も持った『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』の世界的大ヒット。世界76ヶ国以上でNo.1を記録し、全世界興行収入は9億6,000万ドル超え。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』『美女と野獣』『ワイルド・スピード ICE BREAK』『怪盗グルーのミニオン大脱走』に続く、年間ベスト5の全世界興行収入を記録したが、正直言って、この結果を予想した人は多くないはずだ。


 『ジュマンジ』(95)は、世界興行収入2億6,000万ドル超を記録したヒット作。その年の世界興行収入ランキングは『トイ・ストーリー』『ダイ・ハード3』『アポロ13』『007 ゴールデンアイ』『ポカホンタス』『バットマン フォーエヴァー』『セブン』『キャスパー』『ウォーターワールド』に次ぐ第10位。30代以上の映画ファンなら、VFXが大いに話題を集めたことを記憶している方も多いだろう。


『ジュマンジ』予告


 ただ、この『ジュマンジ』を再び映画化するとなったときに、鑑賞意欲をそそられた者がどれだけいただろうか。そもそもこの作品は、ロビン・ウィリアムズの代表作。彼無くしては成立しない作品であり、今回の映画は設定からキャラクターから大幅に変えると聞いたときに、「“誰得”なのか!?」と疑問の声も多く上がったと聞く。誤解を恐れずにぶっちゃけるなら、『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』の制作発表時の期待値は、お世辞にも高いとはいえなかった。作品のクオリティ云々の前に、「観たい」と思う声が少なかったからだ。今の時代に「必要」なのか、疑う向きもあっただろう。


 主演はロック様ことドウェイン・ジョンソン。共演にジャック・ブラック、カレン・ギラン、ケヴィン・ハート、ニック・ジョナス。いずれも人気スターではあるが、前作のイメージが強い者にとっては正直、まるでピンと来ないキャストだ。


『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』予告


 だが、これらの逆境をこの映画は跳ね除け、続編が作られるまでに大大大ヒット。辛口採点で知られる批評サイト「Rotten Tomatoes」では、オーディエンススコア87%と高得点を記録した。日本でも、興行収入約12億4,000万円と、しっかり10億円の大台に乗せている。


 『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』はなぜ、このような結果を成し得ることができたのか? 本稿では、その要因になったこの作品の「斬新性」と時代に即した「トレンド性」、奇抜なだけにとどまらない「普遍性」を拙考ながら記していきたい。



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