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『ヒドゥン』車!ロックンロール!女!不良の与太話と職人技が光るSFアクション

(c)Photofest / Getty Images

『ヒドゥン』車!ロックンロール!女!不良の与太話と職人技が光るSFアクション

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ネタ元はウルトラマン!?



 宇宙から来た悪い宇宙人と良い宇宙人が戦う。と、いえば日本ではウルトラマンの第一話を思い浮かべる人も多いだろう。球体となってベムラーを追うウルトラマンは科学特捜隊ハヤタ隊員を誤って殺してしまう。その死を悔やんだウルトラマンは自らの命を与え、ハヤタと共に地球を守る決意をする。


 さらに映画化もされた漫画『寄生獣』や、スパイダーマンのスピンオフ『ヴェノム』(18)も「宇宙から来た寄生生命体と、寄生された人間が力を合わせて、同種族の“悪者”と戦う」という構造を持っている。


『ヴェノム』予告


 これらの物語は1950年にSF作家ハル・クレメントによって書かれた小説「20億の針」が元だと言われている。


 南太平洋に墜落した2隻の宇宙船。一方には宇宙人の捜査官。もう一方には宇宙人の犯罪者。共に宿主を必要とする寄生生命体で、捜査官は少年に寄生し、おそらく地球上の誰かに寄生した犯罪者の宇宙人を捜索する。容疑者となるのは地球上の全ての人間20億人(1950年代当時の地球の総人口)。まさに「藁の中から針を探す」ハメになるのが「20億の針」である。


 『ヒドゥン』では「宇宙から来た寄生生物」「誰に寄生しているか解らない」という骨子部分もだが「宇宙人なので地球の常識が無い」という設定も「20億の針」から取り入れている。


 ギャラガーが、初めて飲むビールを気に入るも酔いつぶれてしまいアルカセルツァー(アメリカ映画によく登場する、水の中に入れて飲む発泡薬)をもらうが、かじって食べて注意され、次の現場でアスピリンをもらうが、今度はアスピリンをコップの水に沈めてしまう。そんな“カルチャーギャップ”が楽しく描かれるのだ。



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