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『ネメシス』知る人ぞ知るB級SFアクションの名品!「未来感のない未来」と独特のアクションシーンで作り上げた唯一無二の世界観

『ネメシス』知る人ぞ知るB級SFアクションの名品!「未来感のない未来」と独特のアクションシーンで作り上げた唯一無二の世界観

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B級映画の雄、アルバート・ピュン監督



 『ネメシス』(92)と聞いてピンと来る方は筆者と同じ40代以上の映画ファンではあるまいか。低予算で作られたB級SFで、スターも出演していないから知名度は低い。しかし『ネメシス』は、CG技術が映像表現を席巻する以前の映画の良質な部分を濃縮した、得難い作品だ。


 未見の方も是非、この「いびつな傑作」に触れて頂きたい。「いびつ」と書いたのは、それこそが『ネメシス』の魅力の本質だからだ。その話の前にまずは、本作をクリエイトした監督のアルバート・ピュンがどんな人物なのか確認しておこう。英語版ウィキペディアで彼はこう紹介されている。


 「多くの低予算B級映画やビデオストレート(ビデオスルー)のアクション映画を制作したことで最も有名なアメリカの映画監督」


 ピュン監督は40年ほどのキャリアで50本以上の映画を監督。SFやアクションを得意とし、ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演の『サイボーグ』(89)などのヒット作で知られている。81年から監督として活躍しているが、それ以前はなんと黒澤明の『デルス・ウザーラ』(75)の現場で映画製作を学んでおり、日本映画とも縁浅からぬ人物だ。



 B級映画の製作現場では『早く、安く』が何よりも求められるが、ピュンの早撮りは驚異的なことで知られ、しかも彼自身が脚本を書けることから、ハリウッドでは大変重宝された監督だった。そんなピュンが自らの脚本で、世に問うた自信作こそが『ネメシス』だ。彼はこう語っている。


 「ウィリアム・ギブソンのサイバーパンクの世界を意識して作った。当時そのジャンルの映画は『ブレードランナー』(82)くらいで他にはなかった。だから、その世界観の作品を撮りたかったんだ。そこにはテクノロジーや哲学に関する興味深いテーマが詰まっていたんだ」


 『ブレードランナー』のような哲学性を内包しながら、より激しいアクションで見せ場を作っていくという構想で作品はスタートした。こう書くとかなり雰囲気の良い高尚な映画なのか?と思えるが、実はそうでもない。確かに哲学的な問いのようなものも存在するのだが、そんなものを吹き飛ばし、観客の記憶に刻み込まれるのは、そのユニークな銃撃戦だったからだ。



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