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『ヒドゥン』車!ロックンロール!女!不良の与太話と職人技が光るSFアクション

『ヒドゥン』車!ロックンロール!女!不良の与太話と職人技が光るSFアクション

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不良感度と宇宙人を繋げる職人技



 フェラーリとハードロックとイカすビッチが好きな宇宙人が、マイアミ・バイスする映画。そんな不良の与太話を脚本に落とし込んだのがボブ・ハントである。


 ただ、この“ボブ・ハント”なる人物、日本の映画系サイトでは唯一この『ヒドゥン』の脚本家(『ヒドゥン2』のキャラクター造形)としてリストされているのみである。


 しかし、アメリカの映画データベースサイトを覗けば、その謎は氷解する。ボブ・ハントは「ジム・カウフ」とか「ジェームズ・カウフ」といった変名で、ホラーから艶笑コメディ、刑事もの、犯罪ものなどの脚本を手がける、いわゆる「職人」と呼ばれる人物である。



 映画制作において「職人」と呼ばれる人々は、テーマに対して譲れないようなこだわりは感じられず(感じさせず)、しかしどんなジャンルでも最低限以上の結果を出す。アカデミー賞を獲得するような名作は残さない代わりに、観客に楽しい時間の記憶を残す。そんな人々のことである。


 制作年から30年以上前のSF小説「20億の針」を引っ張り出し、当時流行っていた「マイアミ・バイス」と融合させ、ビッチと車とロックンロールをねじ込む。そんな離れ業が出来るのは、こだわりが無く、どんなジャンルも手がけられ、どんな無理難題を抱えていても軟着陸させられる「職人」だけであろう。


 『ヒドゥン』とは、その浮わついた見た目の印象とは裏腹に、「職人」の卓越した「技」が堪能できる作品なのだ。



文: 侍功夫

本業デザイナー、兼業映画ライター。日本でのインド映画高揚に尽力中。



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(c)Photofest / Getty Images

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