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『ジュマンジ/ネクスト・レベル』継続と発展――前作からの「進化」を支える、キャラへの深愛と心情描写

『ジュマンジ/ネクスト・レベル』継続と発展――前作からの「進化」を支える、キャラへの深愛と心情描写

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※2019年12月記事掲載時の情報です。


『ジュマンジ/ネクスト・レベル』あらすじ

ジュマンジ~~~~~~!!!!!!と叫んで、ジャガー像に宝石をブチ込み、ゲームクリアしたのが2年前。当時高校生だったスペンサー、マーサ、フリッジ、ベサニーもそれぞれの路を進み、今は大学生。しかし、あの時の興奮が忘れられず、粉々に破壊したハズのジュマンジをこっそり修理し始めるスペンサー。その瞬間、またしてもゲームの中に吸い込まれてしまった。スペンサーを救出する為に、再びジュマンジにログインする3人。しかし、壊れたゲームの世界はバグっており、何故かスペンサーのお祖父ちゃん達もジュマンジの中に!?!? そこはジャングルのみならず、砂漠、氷山など新たなステージが追加され難易度もレベルアップ!完全に無理ゲーと化したジュマンジ。しかし、使えるライフは3回ー。ゲームクリアしか生きて現実世界に帰る手段はない!!!!!! “全クリマストです!"


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前作を見事にアップデートさせた続編



 上手い。素直にうならされた。なんと爽やかで、クレバーな続編だろう。アイデア満載だった前作のさらに先を行く、異端の王道映画だ。


 往年の名作『ジュマンジ』(95)を大胆に翻案し、全世界興行収入9億6,000万ドル超の大ヒットを叩き出した『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』(17)。ボードゲームの世界が現実になる、という設定をテレビゲームの世界に入る、という展開にアップデートさせて映画ファンの度肝を抜き、「ロック様に高校生を演じさせる」といったアイデアを盛り込んで、全世界を笑いに包んだ。


 それだけでなく、青春物語としての「自己肯定」のメッセージを“アバター(ゲームキャラ)”という存在を媒介にして描き、図らずもウルっとしてしまう共感度大の今風な味付けに。設定を現代風に変えたリブート(或いは続編)は多々あるが、『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』は数少ない成功例と言える。


『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』予告


 それ故に、さらなる続編を生み出すことには不安があった。「柳の下のドジョウ」を狙って失敗に終わった映画は数知れない。しかも『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』は、クオリティは確かに高いが「出オチ」感が大きかったこともまた事実だろう。欲張った結果、前作の快走に泥を塗るようなことになりはしないか……そんな偉そうな心配は、軽々と吹き飛ばされた。


 『ジュマンジ/ネクスト・レベル』は、笑ってしまうくらい見事で、驚くほど丁寧な続編だったからだ。「ヒットしたから続編を作った」つぎはぎ感やこじつけ具合は微塵も感じさせず、当然のように(それでいて切れ目なく)つながっている。前作のフォーマットを踏襲しつつも、新たな可能性を見せてくれた監督・脚本チームに拍手を送りたい。


『ジュマンジ/ネクスト・レベル』予告


 アメリカ最大の批評サイト「Rotten Tomatoes」のオーディエンススコアは87%と、前作とそん色ない数字。12月6日週に中国など十数国で封切られ、全世界興行収入は1週間で約5,200万ドルを売り上げた。中国国内の成績は前作よりはダウンしてしまったが、パッと見前作と同じに見えてしまう作品の性質的にも(中身は進化しているのだが)、充分に検討しているといえるのではないか。その後本国でも公開され、前作を大幅に上回る6,100万ドルを売り上げて初登場第1位を記録。12月16日現在、全世界興行収入は2億1,200万ドルに達している。



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