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『ファーゴ』幸せは、欲を超えたところにある。コーエン兄弟の傑作、その魅力

(C)2014 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved. Distributed by Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.

『ファーゴ』幸せは、欲を超えたところにある。コーエン兄弟の傑作、その魅力


有能なスタッフ&キャストのイイ仕事



 ユーモアはもちろん、こだわりの映像もコーエン作品の魅力のひとつ。前作の『未来は今』(94)から撮影監督としてコーエン作品に参加し、現在も組み続けているロジャー・ディーキンスはアカデミー賞ノミネート歴、実に13回で、『ブレードランナー2049』(17)でついに受賞を果たした名手。ノミネートを果たした本作では、地平線と空の境目さえ曖昧な雪景色を撮るという難題に取り組み、柔軟に自然光を取り込んで、なおかつ、それを興味深く発展して見せた。たとえば、雪の中から車が現われるさまは、あたかも真っ白の背景から怪物が現われたかのようでインパクトがある。なお、ディーキンスは、ドキュメンタリーのように傍観する映像を……と、コーエン兄弟からリクエストされたという。


 ディーキンス以外にも音楽のカーター・バーウェルなど、コーエン兄弟の作品になじみのスタッフが多数参加しているが、やはり実のファミリー……ジョエル・コーエンの妻であるマージ役のフランシス・マクドーマンドの存在は大きい。ミネソタ訛りを身に付け、妊娠中という役柄を踏まえて演技を組み立てている。身重の体でゆっくりと動き、犯人を追う際も体に負担をかけないよう心がける、そんな演技の説得力。本作のアカデミー賞受賞2部門のうちのひとつは、彼女の主演女優賞だ。ちなみに、マクドーマンドはこの後、『スリー・ビルボード』(17)で2度目の同賞受賞を果たした。



(C)2014 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved. Distributed by Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.


 コーエン作品のおなじみの顔では、『ミラーズ・クロッシング』(90)からの常連スティーヴ・ブシェーミも重要な役を担った。彼が演じたカールは“ヘンな顔”と目撃者に証言される犯罪者。とにかく、悪化する状況にイラつき、ストレスをため込む小悪党像がピッタリはまった。ヘンな顔といえば、ジェリー役のウィリアム・H・メイシーも一度見たら忘れない特徴的な顔をしており、やはり悪化する状況にイライラし続けるキャラクターを体現。彼は本作の演技でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。



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