1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. アトミック・ブロンド
  4. 『アトミック・ブロンド』80年代ヒットナンバーが彩る、ベルリンの壁崩壊へのカウントダウン
『アトミック・ブロンド』80年代ヒットナンバーが彩る、ベルリンの壁崩壊へのカウントダウン

『アトミック・ブロンド』80年代ヒットナンバーが彩る、ベルリンの壁崩壊へのカウントダウン


80年代のヒットソング“Blue Monday”と“Fight The Power”



 80年代を描くとなると、作品の中で音楽が重要な役割を担うのは必至。音楽業界がまだ爆発的な力を持っていた時代だからこそ、そこに流れるヒットソングも一つ一つの明確な表情を持っている。当時をよく知る人であれば、そのイントロを耳にしただけで濃密な空気を想起し、ノスタルジックな思いが胸いっぱいに広がるのを感じるはずだ。


 まずもって映画の幕が上がると、ニューオーダー“Blue Monday”の刻むビートが一気に観客の鼓動を高めていく。オリジナル楽曲が生まれたのは83年だが、ここで使用されているのは88年の、クインシー・ジョーンズが手がけたリミックス版。この曲は元々、ニューオーダーの前身となるジョイ・ディヴィジョンのヴォーカル、イアン・カーティスが自殺した時のメンバーの心境を綴ったものと言われるが、本作もまた冒頭場面で死を遂げる男(ガスコイン)を追想するかのように、物語を始動させていくこととなる。



 他にも、この映画には80年代のエネルギッシュなヒットナンバーが満載。「脚本を読んだ時、そのページから様々な音楽が聞こえ始めた」と語るリーチ監督だが、彼らはまず、最初のインスピレーションに従ってプレイリストを作り込み、それぞれの楽曲のイメージを参考にしながら各シーンの撮影を行っていったという。


 この時代、東ベルリンでは西洋の音楽やファッションは違法だった。だが、人は禁止すればするほど、余計に憧れを強める生き物である。もはや流れは止められない。本作でも序盤から、若者たちが夜な夜な地下のクラブに集い、スピーカーから西側諸国の音楽が流れるのを全身で受け止める姿が映し出される。


 そこでラジカセから大音響で流れるのが、 パブリック・エネミーの”Fight The Power”。ヒップホップ史における重要作に位置付けられるこの楽曲は、89年公開のスパイク・リー監督作『ドゥ・ザ・ライト・シング』でも鮮烈な印象をもたらした。このリズム、このビート。人々の自由への渇望がマグマのように胎動する様を伝えるのに最適の一曲といえよう。



PAGES

この記事をシェア

公式SNSをフォロー

関連する商品

  • 70年代後半、「東側」で製作されたアンドレイ・タルコフスキー監督の傑作『ストーカー』
  • デビッド・ボウイの「 Putting Out Fire」はこの映画でも流れます!クエンティン・タランティーノ『イングロリアス・バスターズ』
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. アトミック・ブロンド
  4. 『アトミック・ブロンド』80年代ヒットナンバーが彩る、ベルリンの壁崩壊へのカウントダウン