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『ゴースト/ニューヨークの幻』に隠された製作者たちの本当の想い

(c)Photofest / Getty Images

『ゴースト/ニューヨークの幻』に隠された製作者たちの本当の想い


 『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』(15)の日本版ポスターには「愛を知るー 全人類に捧ぐ」「たとえ、あなたを失っても この愛だけは永遠…」など、作品中に無くはないけど決してメインではない「愛」が大きく謳われ、違和感を覚えた人も多かったはずだ。


 日本ではなぜか「恋愛映画はヒットする」という都市伝説じみた無根拠な言説が行き交っているため、こういった不思議な現象がよく起こる。この事例に限らず、広告と作品に奇妙な乖離があるものは少なくない。その一方で、広告が付けた印象が作品自体の印象を更新してしまうこともある。『ゴースト/ニューヨークの幻』(90)も、そんな作品である。


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死に取り憑かれた脚本家



 脚本家ブルース・ジョエル・ルービンは『ゴースト/ニューヨークの幻』を手がけるまで2本の映画に携わってきた。


 『2001年宇宙の旅』(68)や『未知との遭遇』(77)でビジュアル・エフェクトを担当したダグラス・トランブルが監督した『ブレイン・ストーム』(83)で原案を担当。脳の知覚を感知し記録する装置をめぐり、軍事利用を画策する政府と、死の瞬間を記録したデータを求める研究者の対立を描いた作品だ。バーチャル・リアリティを先取りした、いかにもSFスリラー然としたあらすじだが、作品の焦点は「死の記録」に当てられているため、SF的なドライさとオカルト的なウェットさが混在した奇妙な作品になっている。



 続いて、脚本を担当した『デッドリー・フレンド』(86)は脳死状態となった少女を救おうと、脳にマイクロチップを埋め込み蘇生させた天才少年を描いた作品。こちらもSF的な要素はあるが、監督のウェス・クレイブンの優れた恐怖演出により、派手な人体破壊がみどころの、完全なホラー映画になっている。


 この2作に続くのが『ゴースト/ニューヨークの幻』なのだが、その後『ジェイコブズ・ラダー』(90)『マイ・ライフ』(93)『ディープ・インパクト』(98)と、テーマやジャンルは見事なまでにバラバラだが、どの作品にも「死」は常に中心に据えられ、陰鬱とした重く暗いフィルモグラフィになっている。



 その中でも『ゴースト/ニューヨークの幻』は「死」に取り憑かれたブルース・ジョエル・ルービンが、真っ正面から「死」と「死後の精神」をテーマとした、渾身の脚本であることが解るだろう。



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